2017年03月24日

御礼)青蛾館『中国の不思議な役人』終幕






2017年3月17〜22日、東京芸術劇場シアターウエストにて、出演者総勢35名の大所帯公演。





劇団じゃないのに劇団並みに、表で裏で皆が走り回り、とにかく走り続けた作品でした。
わたしは(廻天百眼本番が3/7まであったので)最後の2週間しか稽古にがっつりいることが出来ず、スタートの数日と休演日1日だけ青蛾館の稽古に来て、また数日ザムザに通い、ここに戻った時には暖かく「おかえり」と言って迎えてくださった座組の皆さんには感謝しています。

マダム青蛾の館に集うものたちの、ひとときの激しく美しい夢でした。
最終日のウォーミングアップ中に一年前の『くるみ割り人形』でも共演したさおちゃん(中井沙織さん)がその時の劇中歌を歌い始めました。
「♪ゆーめから醒めたら朝、そーれはー、きせーきね」
夢から醒めたら。その時はまだ夢の渦中だったから、全く気付かずに懐かしいねってみんなで歌ったけど、終わってからtwitterで「まだ醒めたくない!」と何人ものメンバーが言っていました。大変だけどそれくらい充実した日々でした。

マダムは今プロジェクトのテーマは『継承』だと言っていました。
蜷川幸雄氏が亡くなり、先輩から自分の世代が引き継いだものを次世代に、俳優として自分が得たものを若い俳優に継承していくという決意。蜷川さんのところでマダムがご一緒してきた石井愃一さん始め、日本一の巨人俳優・澤魁士(さわ・かいじ)さんやミゼットプロレスラーであるプリティ太田さん、さいたまネクスト・シアターの若い俳優たちなど、蜷川組の人々が参加しました。


そして天井桟敷の俳優であった若松武史さん。
在籍時期が重なっていないので、昭和精吾との共演は寺山さん没後のパルコ劇場での『青ひげ公の城』が初めてだったそうです。(その公演は青蛾館『星の王子さま』で共演した未唯mieさんも出演していました。)わたしが娘さん・若松絵里さんと共演したのも青蛾館『青ひげ公の城』でした。
青蛾館が繋いでくれたご縁は多く、ありがたい出会いばかりです。

全員に思い出があるから全員のことを書きたいけれど、とてもとても長くなりそうなのでまたの機会に。


ケンケン先輩こと石井愃一さんは劇団東京ヴォードヴィルショーの方。
若手の段取り稽古に付き合ってアドバイスをくださったり、(年齢はパンフのプロフィールから削除したっていうので書きませんが、昭和さんの少し下くらいとは思えない)現役を続けてきたからこその色褪せない張りとツヤのある声と台詞回し。
決め台詞はもちろんのこと、何気ない台詞「おめえらすっこんでろ、すっこんでろ!」という声がなんともかっこよくて、大好きでした。

 
マダムことプロデューサー野口和美さん/女優・のぐち和美さん、
女優でありながらプロジェクトを回す上の多大なサポートも担ってくれた、皆んなのきょん姉こと宮下今日子さん。

 
女優としてはもちろん、女性としてもこういう人でありたいと思う池田有希子さん。(血糊監修したのでお話させていただく機会が多く、嬉しかったです)
かっこいいのにコミカルでもあり、「殺(サツ)!」女将校の歌も日に日にキレッキレだった明星真由美さん。



楽屋の鏡前がお隣で仲良くしてくれた、ヒロインの少女花姚(かちょう)役・橘花梨(たちばな・かりん)さん。


そして(ごめんなさい、本体はもっとかっこいいですが)演出の松村武さん。
最初の2週間お休みして稽古に再参加したときには一通りシーンの形作りは終わっていた。
当時twitterで「大胆でありながらとても緻密な作りの箇所もある。全体的に男性的な演出」と書いた。全体の構造から作るのだな、と。わたしが昭和さんを通して考えている寺山とは違って、見落としていた新しいアプローチを見せてくれた。最後の一週間は、演出が人物の内面について言葉にすることが多かった。その言葉選びの巧みさ、作家で演出家で俳優ゆえの凄さだと思う。松村さんの言葉に皆が納得しすぎて笑っちゃうことしばしばだった。
挿入された娼婦と客の2シーンは、すれ違いや喪失の心の隙間を空想で埋めようとする物語で、そのシーンの演出は結局は愛について語るようなもので、わたしは稽古を見ながら寺山さんの台詞にも、俳優の演技にも、演出の言葉にも、いちいち涙ぐんでしまうほど、いい時間だった。
演出としても、限られた時間の中で今どこを優先するか/どこを割り切って先に進むかの選択、そういう技術も学ばせてもらった。


お相手役をしていただいたのは侏儒の館主人役・プリティ太田さんでした。


川村さんの特製ウイッグで、羽飾りを入れると身長約2m、カイさんこと澤魁士さんに匹敵する令夫人でありました。



ひとまず、ここまで。
関係者様、お客様をはじめ、
わたしをこの場にいさせてくれたすべてに感謝します。
ありがとうございました。
音楽が、まだ頭の中で鳴っています。

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