『われに五月を 第二章』-血系譜-の稽古開始前に最近はやりの(?)pre稽古なるものをした。
お呼びしたメンバーとは前から共演しているけど、実は詩を読んでるのを聞いたことがない。

彼らの出演が決まってから、どの詩が似合いそうか、ふわふわと考え続けていた。

技術とは別のところで、
声質や、見た目や、性格などで、きっと似合う詩は違う。

あんまり緊張感が高くてはできるものもできないだろうからと、努めて普通にしていたつもりだけど
演出席置いて、読む人が正面に立ってって、やっぱり緊張するんだろうな(笑)

以前やったことのある短歌掛け合いをウォーミングアップとして回し、
それぞれに、詩を渡してやってもらった。

今日は、できるできないじゃなく、方向性とか適性とかポテンシャルをみるつもりだったからダメだししない心算でいたが、聞くとやはり欲が出て「もう一回やっていい? 今度は年齢設定下げて、高いところにいるつもりでやってみて」とか「高い理想を持っているからもう少しクールでいい」とか「この単語でリズム作っていけるかな」とか、早速いろいろリクエストしてしまった。

通常の稽古ならテイクが終わってすぐ、良かったところを指摘するようにしてるんだけど今日は《ダメだししない心算》でいたから「はーいありがとう」しか言わないわけで、それが「ダメだったかな…」って不安にさせたかもしれない。ごめんみんな。

リクエストに答えて皆、時間いっぱいまでたくさんやってくれた。
そして、初めて事務所に参加するすっきー(鋤柄拓也さん)は特に右も左もわからないわけで、
台詞と詩の違いってなんだろうみたいな話をせねばと、
頭フル回転で言葉を構築するので、話しているうちにこちらにも発見があって、
いわばイッキさんともそんな話をわざわざしたことはなかったけど「…って思うけどどう?イッキさん」っていうと答えてくれるし(イッキさんも、演出する人だから思考の言語化には慣れているのだ)、その点でも有意義な時間だった。

みんな打てば響くし、
やっぱり自分のいけると思ったのがハマると嬉しいね。


そしてイッキさんも、新しい詩をひとつ試させてもらうことに。
「やってもらっていいかなあ」と言うと
「あ、そうですか(笑)」と言ってすぐ立ち上がる。
「やらされるかなーって思ってた?」
「まあそんな気は」
絶対合うよ、って数ヶ月前から言ってたけど、やっぱりいい。
今回じゃないかもだけど、きっとこれはレパートリーにしよう。

自分は一切やってないので、自分のことも考えてあげなければ。



稽古場を閉めて、頭使いすぎて空腹だったからまず腹ごしらえして、その後ちょっと飲み。
最近みた舞台の感想を言い合ったり。







帰宅後、資料として2000年の犬神サーカス団ワンマンのVHSを探し出し、見る。
生演奏で詩の朗読、やはり面白い。
そして当時はわかっていなかった、昭和精吾の構成の妙を知る。

参加してくれた面々がそれぞれ、今日のことをtweetしていた。
楽しんでもらえてるようでなにより。わたしもとても有意義で楽しかった。
さて、構成しましょう。