こもだまり/昭和精吾事務所@mari_air演劇実験室◉万有引力『狂人教育』観劇。大胆に加筆され、まったく新しい膨らみを持った物語になっていて興奮。
2018/11/14 17:26:15
構造もビジュアル(衣装やセットや動きや演出)も、万有引力ならではの魅せ方満載。目が足りない。
闇に潜む人形遣い!揺れる人… https://t.co/SA2IA8stVR
ご挨拶も兼ねて14日(チケット発売日)にザ・スズナリの
演劇実験室◎万有引力「狂人教育」-人形と俳優との偶発的邂逅劇- へ。
10分前到着予測で下北沢駅からさくさく歩いていると、目の前に見知った背中が。
「シーザー先生!おはようございますこもだです!」
黙って追い抜く訳には行かないし、大きく声をかける。振り向いて
「お!俺もギリギリだよ」。
ふたりで速足で歩きながら、12月14日に「李庚順」の楽曲を使わせていただくお礼と、先日の古稀のお祝いを伝える。
「昭和さん14日が誕生日なのか…」
「そうですね、寺山さんともわたしとも近くて」
昭和さんとふたりで万有を見に行って、一緒に打ち上げにお邪魔してた頃はシーザー氏の感情は読めなくて、とてもクールな人という印象だったけど(最初に一緒に飲んだのは2010年「くるみ割り人形」だと思う。桂太さんがくるみ割り人形で、ようこちゃんがクララだった)、万有忘年会やシーザーコンサートに行ったりしたせいで馴染んだのか、表情がわかるようになってきた。
あとは[昭和さんのとこの子]だからだろう。昭和さんにとって兄貴分だった寺山さんは(会ったことないのに)わたしやイッキさんにとっては伯父貴のような存在で、昭和さんより歳下のシーザー氏だって叔父貴という感じなのだ。
「では、チケットの精算がありますので、わたしは走ります!」と告げて、一足先に劇場にダッシュ。
「狂人教育」は、実は初めて触れた寺山修司の戯曲。
高校2年生の全国高等学校演劇大会の演目候補としてあがって読んだ。
青蛾館の初期一幕劇連続上演(2013)でも青木砂織演出で上演されたのも見ている。
もともと人形劇団「ひとみ座」のために書かれた作品だという。
いま改めて戯曲を読みかえすと、なるほど人形使いと人形の関係が肝だ。
17歳で戯曲を読んだときにはその構造はまったく理解できなかった。
本来なら交わらない世界の者が会話する、見えていないはずの「人形使い」が「人形使い」として喋ってしまうこと(=邪宗門でも使われる手法)が衝撃だったわけだ。
青蛾館で見た記憶からは[人形]ということがなぜか完全に抜け落ちていた。
「家族の中にひとり狂人がいる」と言われて、疑い、告発しあう場面が強い印象を残すからだろうか。
それとも人形使いも人形も、同様に誇張して人らしく演出されていたからだろうか。
(5年も前なので記憶があいまい)
今日の「狂人教育」では、人形役は終始人形としての身振りで、
人形使いは闇に紛れ、暗躍し、
舞台に吊られた人間大の人形がブラブラと揺れていたり、
人形と人形使いの住むふたつの世界が、白黒の衣装でも演出でもくっきりと区別されていて、揺るがないところが美しい。
見ている間ずっと、おそらくわたしは満足気に笑っていたと思う。
万有引力を見に行くときに「見たい」と思う項目がふんだんに詰まっていたし、
構造も、演出も、既存の作品を書き換えて いま彼らが上演する「意義」とはこういうことだと感じた。
その日に興奮してたくさんツイートしたので、あとはそのまま引用します。
今までみた万有で一番好きな舞台かも。
見に行けてよかった!
こもだまり/昭和精吾事務所@mari_air夕方は出演発表とか公式のお仕事前で凛々しくカタめで感想書きましたが、万有引力「狂人教育」、万有作品で一番好きかも。
2018/11/14 23:52:02
既存の作品を掘り起こして作る意義。あなたがやる意味。発掘して宝物ををただそのまま提示するのでなく[現在]の[我々の… https://t.co/oXHYkE9GhA
こもだまり/昭和精吾事務所@mari_airいつもより小さい空間で恵篤さんの声が響き渡る瞬間からもうニコニコしてしまう。なんと人生が乗った声だろう。恵篤さんの舞台見ると(タイプは違うけど)昭和精吾を思い出す。
2018/11/14 23:57:37
人形の話の為、演出の軸にある人形振りはかなり柔軟で、意外。私はA… https://t.co/Bke4sT5TMo
こもだまり/昭和精吾事務所@mari_air人形遣いと人形の世界が切り分けられている演出も、人形遣いが闇に紛れてしまうこと、人形たちの服の襞の陰影、操り糸、人形の[本体]、世界全部に意味がある。
2018/11/15 00:03:19
そして散りばめられた他の作品の寺山修司の台詞達!数多の作品に触れ、再構築してき… https://t.co/BqYheXYpCR
こもだまり/昭和精吾事務所@mari_air森ようこちゃんのマユ、ダリアも演じて新高さんを彷彿とさせる艶然たる[姉]人形。新高さんの流れを汲む凄みに加え、彼女の身体性と躍動感、遊び心。「青ひげ公の城」のシモーヌみたいで美しいシーンだった!
2018/11/15 00:27:25
彩香さんの蘭、ラストの透きとおった声がいい。生贄に相応しい少女性。
#狂人教育