Air*Log

語り歌う女優、こもだまりの製作日誌(2005〜)。 演劇・語り・ライブ等の上演情報や、稽古や、思索。 昭和精吾事務所 二代目代表。脚本・演出家。麻邑楽×麻人楽。 ヒューマンアカデミー演技講師。

2016年04月

人生初骨折報告(※完治)


これはなんでしょう?
そうです、マイ鉄板です!


先日ちらっと「骨折のこと書きます」と予告したら
「心配なので早く記事を書くように」と各所からお叱りの声がありました。
ご心配おかけしてすみません(汗)。
いまは、というか、直後の本番も誰にも気付かれずにできる程度だったので大事ないです( ´ ▽ ` )



3/21の「くるみ割り人形」小屋入り前日の最終稽古の通しの最中のことでした。
段取りをかえたての群衆シーンで人と接触し、小道具の水晶玉の中身が床にこぼれました。ダンスシーンなので踏むと危ないから拾わなきゃ、と振り向いたら再度人と接触しそうに。それを避けたら右足を前のめりにひねりました。足の甲がぐねっと床に着く感じ。あ、痛いな、とは思ったんですがそのまま通し稽古をして、4人のダンスもラストの走りまくりの一連も無事に遂行。
しかし終わってから足をみたらちょっと腫れてて「おう…。」
骨折って吐くほど痛いって言うし、今日全然踊れたし、大したことないだろうとタカをくくって、そのまま稽古場撤収作業して帰宅。駅から自宅まで歩く時にちょっと違和感と痛みが。
その夜、家族だけには知らせておこうと撮影した画像、記事のラストに貼っておきます。一応きらきら加工したけど青いし丸い(笑)痛そうなの苦手な人はご覧にならないように。


翌日は仕込み日、幸い俳優陣は入り時間遅めだったので病院へ。
「骨折って吐くほど痛いって言うし、まあ捻挫だよね」と自転車をこぎ、劇場付近の整形外科で事情を話したら「ここ痛い?ここは?」とグングン押されて、「あー、変形はしてないけど、レントゲン撮っておこうか」。
「妊娠はしてない?」レントゲンてそんなこと聞かれるんだ…とぼんやりしながら撮影、数分待たされて診察室に戻ると「ここさ、わかる?ささくれみたいになってるとこ。折れてるね」と簡単に骨折診断が下ったのでした。

先生「小指のここが折れてるから。できるだけ動かさないようにして。安静にしてて全治3週間ね。」
まり「あのう…そこの芸術劇場でもうすぐ本番で、しかも結構踊ったりするんですけど…」
先「踊るの?うーん、動くと変な風に曲がっちゃったりするからなあ、それ休めないの?」
ま「もう稽古も終わってますし、昨日一応一通り動くことはできたんで」
先「じゃあとりあえず鉄板で固定しよう。」
ま「鉄板入れたら踊れないですよね。テーピングとかでなんとかなりませんか?」
先「えー、鉄板入れた方がよくない?」
ま「爪先立ちとかできないですよね?」
先「…。」
ま「テーピングとかで…」
先「じゃあ本番だけ外していいけど、普段は鉄板。小指をとにかく動かさないように。」

鉄板を添え木として足の裏にテープで貼り付けられ、その上から湿布をされ、さらにゴム状のサポーターでぐるぐる巻かれて固定される。

先「はい、靴下履いていいよ。名称書いておく?」

と、付箋紙にさらさらっと書かれたのがこれ。


『右第5中足骨(ちゅうそっこつ)頸部骨折』
そのあと毎日ゆるい靴下とムートンブーツで劇場に通うことになったのでした。
冬でよかった。


劇場から帰宅して靴下を脱いだら指が真っ青。サポーターをきつく巻いたらうっ血したらしい。
昨日より悲惨な見た目ぞっとして、おそるおそる爪先立ちしてみるが支障はない。
とりあえず翌日は場当たりだけで、ゲネは明後日、本番まで3日あるからなんとかなるだろう。
湿布して骨折にいい食材食べて、足を高くして寝た。
(足を骨折して入院してる人が足を吊ってるのはぶつけないようにだ思ってたけど、血が行かないように心臓より高くするのがセオリーなんだって。骨の周りの組織が炎症を起こしてるからなるべく冷やすために血を回らせないように高くするのだそうです。たしかに湯船入って血のめぐりが良くなってから立ち上がる=足に血が降りると、ガンガン痛かったもんね。)

本番は柔らかい靴でちょっとひやひやしたけど、変な折れ方をしてないせいか、柔らかい同士でまっすぐ踏まれる分には痛くないという発見。
関係者には黙ってた。知ったら気を使ってイレギュラーな動きが起きて逆に接触事故がありそうな気がした。
それにわたしはみんなに怪我をしないおまじないをする係(※)なので、それが骨折してると知られたら効き目が怪しまれるし(笑)。おまじないは本番しかしないので、わたしみたいな稽古中の怪我は保障外でいたしかたないのです。
※演劇を始めた高校生の時に知ったおまじないで、どの公演でも本番前、全員にする。最初は怪しまれるが、回が進むとみなさん自分から会いに来てくれる。わたしもやり残しあると心配になっちゃうので、ご協力ありがとうございます。



共演の田中美甫ちゃん(CHAiroiPLIN)と「私服おそろー!」って楽屋ではしゃいでいた仕込み日も、(なんかうれしかった!)


百眼衆のみなさん(廻天百眼の石井飛鳥さん、FOXPILL CULTの西邑卓哲さん、女優のなにわえわみさん)が来てくれてはしゃいだ初日も、(ありがとうございました)


テラヤマ・ワールドの笹目浩之さん行きつけのお洒落なバーで、共演の浅場万矢ちゃん(時速8次元)とウイスキーを飲ませていただいた夜も、(ごちそうさまでした)


「くるみ割り人形」終演2日後、麻人楽の流血シーン撮影してた日も、(おつかれさまでした)


骨折真っ只中でした(笑)。


麻人楽の関係者には4月1日の稽古再開初日に告白しました。去年の6月に手の指を折ってるチヒロさんは「(骨折の世界へ)ようこそ」と優しく手を差し伸べてきました(笑) 本番みたみんなが「全然わからなかった」と言うのでホッとしました。

いや、笑いごとではなくですね、
支障なかったつもりだけど、たぶん多少かばって初動が鈍かったり、少なくとも万全なら出たかもしれない120%の出力は出せなかったのだから、関係者様にもお客様方にも本当に申し訳ない気持ちです。
4月8日の麻人楽が終わって、演出の拓朗さんとプロデューサーの野口さんにも骨折してたことと、お詫びを言いました。お知らせしてなかった皆様にも、この場をもってご報告とお詫びをさせていただきたく思います。わたしがボヤボヤしてても公演が大成功できたのは、観客の皆様の暖かい応援による活力補給と、(知らなかったとはいえ自然に助けてくれたであろう)関係者の皆様のお心遣いの賜物だと思っています。ありがとうございました!



骨折することなく一生を終えられると思っていたのになあ。
骨折したことある友人には「骨折してからが本当の大人だ。」となぐさめ(?)られました。
10月には自転車走行中考えごとをしていて電柱にグーパンチして右手の中指の付け根を打ったり、
(ハッと気づいたら目の前が電柱で、慌ててハンドル切って、ブレーキ握りしめた右手が電柱に直撃したのでした。後から思えば、そのままタイヤで当たるか足を出してればよかったのかも。)
ここんとこぼんやりが多いので、気を引き締めます。

みなさんも、考えごとしながら歩くのは不慮の事故のもと、要注意ですよー!続きを読む

佐野和宏監督「バット・オンリー・ラヴ」


佐野和宏監督「バット・オンリー・ラヴ」東京最終上映日に駆け込み。

活動を応援してくださっている映画運動家の寺脇研氏がプロデュースということで知った作品。
監督・脚本・主演を務めるスタイルでピンク映画四天王のひとりと呼ばれた佐野監督が、18年ぶりにメガホンを取った作品。しかも佐野監督は2011年に喉頭癌で声帯を失い、声が出ない体で今回も監督・脚本・主演するというのだ。

まだ地方上映があるので、未見のかたのために詳しくは書かず、少しだけ。
呼吸の音しか漏れない叫びでない叫びや、発話するが聞こえない言葉がもどかしく、声の出ない身体性が男の心象に重なる。歩く足元が延々と続くエピローグは突然画面に揺れを感じなくなり、惑わなくなった男の心が見える。ラストシーンの表情含め見事な帰結だった。


東京最終回は満席。寺脇研プロデューサーと監督と出演者が一言ずつ挨拶するくだりで、娘役の芹澤りなさんが満員の客席を見て感極まってらした。

800円のパンフにはなんと撮影台本が完全収録。
砂々良のお客様に映画関係者はいらっしゃるので映画台本を見たことは何度もあるが、これは独特の生々しいノートで、書きなぐった詩のような、手記のような、手紙のようなものだった。
「この台詞はカットしたんだな」とか「このシーンはここを省いたんだな」という編集の跡が見られて興味深かった。映像について(麻人楽のおかげで)考え始めて1年未満だが、編集というのはとても大切で難しい作業だ。脚本もそう。書きたいよう書いてみると、感情によって冗長だったり、かえって混乱を招く箇所が出てくる。それを今回の見せ方に照らして編集する(つまり、主に削る作業をする)。それが作品を観客に届ける上で一番丁寧に考えるべき部分なのではないかと思う。
だからこそ、ディレクターズカット版という兄弟が生まれるのだろう。
再演の面白さもここにある気がする。あの日違う選択をしていた場合の、見ていない未来をみるようで。


新宿K'sシネマはシアターpooのご近所でした。
終映後のトークで永井愛さん(劇作家・演出家・二兎社主宰)が「ここって昭和館だった所よね(※)」と。昭和の日に昭和館にいる偶然!いっそ池袋で喫茶昭和に寄るべきか…。
今日のアフタートークがどなたか知らずに来たのですが、ちょうど先日、永井さんの対談記事(※※)を読んだところだったので、とても嬉しかった。
※名画座から、任侠専門の「新宿昭和館」、地下の成人専門の「昭和館地下劇場」のふたつがあったそうです。
※※世田谷パブリックシアター刊行の冊子「SPT」01掲載の対談「演劇言語の力」野村萬斎+永井愛+松井憲太郎




[ストーリー]
癌で失くした声とひきかえに、人生を見つめ直した男。
ある日、娘が実の子ではないと知る。
妻への疑念は嫉妬と憎悪に、やがて妄執となり…
叫びたくても声が出ない、届かない。
愛を求め、確かめようともがく男の 淫靡で孤独な旅がはじまる。

映画「バット・オンリー・ラヴ」公式サイト
http://www.but-only-love.com

予告編
https://youtu.be/PQhei2v5S34

現在愛知で5/6まで上映中。
このあと神奈川・大阪・新潟・京都・兵庫・広島・福岡と回るそうです。

『伝染性狂言』3マンライブ(オフショット写真)

レポが長くなったので写真集を別立てにしました。本編レポはこちら。
本番写真はまだ手元にないのでオフショットだけです。
しかも楽屋がぎゅうぎゅうで、全員とmariPhoneでツーショットする隙がなかったので一部です。
(柚子さんわみさん、お写真ください)

まず三ヘカテー様。

ヘカテー役・ストロベリーソングオーケストラ座長、宮悪戦車さん。
『少女椿』、『屍のパレード』、昭和精吾事務所でもご一緒してて出会いは百眼より古い。屍本番では裏で梯子で降りてくる座長の本を受け取るくらいしか関わりなかったけど、この日は目の前で座長の背中を眺めながら歌った。自分のチームのステージを終えてすぐイチゴによるメイク早替えだったが、大変さを微塵も感じさせず、実質ゲネでしか合わせてないのにさすがの貫禄。「お疲れさまでした!」とこの写真を送ったら「背後から聞こえるこもださんの声に(云々)」って返事が来て、爆音だから聞こえてないと思ってたけどなんと!とおかしくなった。「あばずれのこもださんよろしく」「飲み明けの座長よろしく」と軽口叩きあってがんばりました。(わたしの髪に金髪メッシュを発見してから「あばずれ」って呼ぶのが流行ってるらしい…)昭和さんを思ってくれてありがとう。


ヘカテー役・常川博行さん。
「こもださんと僕は百眼同期だから」とよく言ってくださるが、考えたら『鬼姫』初演からの客演で『屍のパレード』にいたのは常川さんと仲村弥生ちゃんとわたしだけ?長く共演させていただいて光栄です。役の説得力、意志、そういうのがビリビリ伝わる俳優で、同じ場にいるだけで身が引き締まる。
1日でも長く現役でいて、これからも若手にそれを味あわせてほしい。わたしもそうあれるよう、精進します。

ヘカテー役・大島朋恵さん。
いわずと知れた小さな巨人。わたしは好きな音のタイプとして鈴とか弦みたいって言い方をするんだけど、おねえちゃんの声は鈴みたい。小さくてもしっかり通る。
自分に厳しく人に優しい。いやきっと、人にも厳しいんだけど、出し方が上手なんだな。
この人と会えてよかったと思うひとのひとり。しかも『鬼姫』の蘭と紅葉としてね。これからもまた、ご一緒できますように。(去年のライブは『死ぬ機械』の母子掛け合いやって泣いたっけねぇ・・・)

あかん。このペースだと三日くらいかかるから短くします。また共演する人も多いし。続きを読む

『伝染性狂言』3マンライブ(「屍のパレード」サントラレコ発)



3回目の4月の百眼ライブ!
思えばあれがあったからいまわたしは麻人楽やってるんだろうなあ。
星の廻りと、廻らせた廻天百眼に感謝。

ウヅメが会場入りして即、わたしの頭を作ってくれたので、一安心して気合い入る。
しかも「かんざしがないから」と鹿の子を増設してくれて、右前にも。かわいくしてくれてありがとう。


逆順リハだったので、百眼から。
(マイク大量、人たくさん、ボーカル入替制でPAさん泣かせのパフォーマンスのため、リハのあと「イレギュラーですみません」とご挨拶したら「なんとか、やってみますから」と心強いお返事をいただいた。)ドラム横に飼い殺しのわたしとわみは客席が見えないという理由でビールケースに乗せてもらう。百眼衆は巨人がいないから、ビールケースひとつで十分視界は開けた。座ってドラムのセッティングしてるKEVINさんに「今日はわたしのほうが大きいんじゃないですか?」と言って立ってもらったら本当にわたしのほうが大きかった(笑)

一通り終えて(リハを見てたストロベリーのみなさんが拍手してくれたのが印象深い)ストロベリーソングオーケストラのリハ。大阪でお世話になった寿さんや虫佐さんの勇姿を見る。
みつつ、準備を進める。自力メイクをし、イチゴに紫のシャドウを入れてもらい、あとは着替えるだけ。

この日は麻人楽の音源を持ってきてたので、FOXPILL CULTの物販コーナーに一緒に置かせてもらい、物販席につく。百眼衆が気づいて「あれ…物販席にいらっしゃるのはこもださん…?」と構ってくる。「いいえわたしはこもださんではありません」「おや、似ているなあ…どちらさまですか?」「わたしは麻人楽のまりさんです」。この日FOXPILL CULTは新アイテムの「罪深ンバッジ」(罪深い+缶バッジ)発売とプエル製メンマの試食という目玉があったので、立ち寄ってくれるかたがたくさん。
麻人楽音源も8日に買いそびれたというお客様が買ってくださった。ありがとうございました。続きを読む

※日誌更新滞っておりますが

3月末の青蛾館『くるみ割り人形』のこと
4/8の麻人楽『幻視+』のこと
麻人楽の改めて打ち上げのこと
昭和精吾事務所代表就任のこと
骨折のこと ←

いろいろお話ししたいことがあるのですが、目の前のライブのことを先に書きました。
追い追い書きます。
今後のことも!

4/25のライブのあと、出演はしばらく空いて
6月の廻天百眼『冥婚ゲシュタルト』再演です。

5月には稽古が始まるので、稽古しながら、事務所や麻人楽のことを進めていくつもりです。
いろいろ発表のタイミングが来たら、お知らせしますね。

出演MV)FOXPILL CULT新譜『ROMANATION』発売とMV

自分の本番が立て続けだったので、遅れてしまいましたが、いろいろまとめてお知らせします。

1)FOXPILL CULT『レストランド』MVに出演しました。
西邑卓哲さんのバンド、FOXPILL CULTの新譜『ROMANATION』が3月9日に全国発売されました。
収録曲『レストランド』のMVにひょんなことからちらりと出演しました。
これまで何作かのPVに声の出演はしましたが、ついに本体・・・でも顔は出してません(笑)



クレジットはこんなです。

-CAST-
アルミホイル男:西邑卓哲
踊るビジネスマン:プエル
Shinpei Morishige:Shinpei Morishige
あまつかみ(闇):Boo(DxUxS)

-SPECIAL GUEST-
天才ドラマー:吉田達也
知らない人:十三月紅夜(虚飾集団廻天百眼)
厳かな右手:こもだまり(昭和精吾事務所)

そうです手です。(本当は左手だけど)続きを読む

告知)廻天百眼『屍のパレード』サントラのMV公開

『屍のパレード』サントラ発売に伴い、廻天百眼がMVを公開しました。
わたしもチラッと参加。ドン・カルメの舞台本番映像シーンの毬子三面のセーラー服の一人です、真ん中です。セーラー服なことは言及しないでください(笑)


なんとMV用に、音源収録の音に更に手を加えて特別篇でのお届けとのこと。
『死の舞踏』は十三月紅夜推し!





サウンドトラックは全国流通で、DISK UNION等でお取扱いがあります。
合唱曲に多数参加しましたので、聞いていただけたら幸いです。
個人的には「死の舞踏」と「悲喜劇狂想曲」が名曲だと思ってます。
あと「カルペ・ディエム・メメント・モリ」は何度聞いても心拍数が上がります。



4月25日にはレコ発記念のライブもありますので、詳しくはこちらにて。
4月の百眼ライブも三年目。今年もたくさん歌います。
http://komodamari.blog.jp/20160415.html


そして
FOXPILL CULTの新曲『レストランド』のMVにもひょんなことからちらりと出演。
こちらはちょっとニュースが多いので、別立てで書きますね。続きを読む

告知)4/25月 廻天百眼レコ発ライブ「伝染性狂言」に出演します

廻天百眼の『屍のパレード』のサントラレコ発ライブです!

廻天百眼の音楽監督であり、麻邑楽×麻人楽や昭和精吾事務所でお世話になってる西邑卓哲(KEVIN)さんのバンド、FOXPILL CULTも出演するのでこの日は西邑楽曲祭り!
ストロベリーソングオーケストラも昭和精吾事務所でツーマンをしたことがあるし、この日は個人的にもご縁のある人ばかりの日です。あっ、大阪公演にヘカテー役で出演した座長・宮悪戦車氏は百眼枠でも歌ってくれます!


百眼はレコ発とあってたくさんのアルバム収録の曲をやります。
結果、舞台本編と同じくらいの尽力(笑)
雷神タカアキ(舞台本番同様、ドラムで参加のKEVINさん)を左右から挟む配置で、なにわえわみ嬢とわたしはほぼ全曲歌いまくります。歌担当なのは毎年のことですが、専用マイクは初めてだー!
麻人楽本番終了直後の脚本脳稼働中で朝方まで起きている日々に稽古が始まり、「でも知ってる曲ばっかりだし!」と油断してたら、言ったことない新しい台詞が来た。石井さん曰く「せっかくこもださん出るのにこの位ないと勿体ないですし!」。ありがたき配慮だが、台詞を覚えるのは別モード。かえっておいで俳優脳!

レコーディング以来歌ってなかった曲もあるし、マイクで歌うの久しぶりなので、百眼稽古の前の昼間に数時間、自主練でスタジオに入り、音源をかけて歌って、自分の声を確認してきた。一日中『屍のパレード』を歌ってたその日、「こもださんはボーカルです。振りより歌を優先させてください」と改めてお達しがあった。スタジオ入っといてよかった…!
「去年の朧月記みたいなノリでいいの?」「はい!」ということで、限定解除して歌います!
本番では「ドン・カルメ」のバリエーションしか歌ってないわたしとしては、麻邑楽でカバー候補にあげたいくらい気に入っている「悲喜劇狂想曲」と「死の舞踏」を歌える機会が持てたことがとても嬉しい。


(去年のライブより、バンドのボーカル気分で歌った「臘月記」)



アルバムは4/13に発売されて、DISK UNIONやタワーレコード等でお取扱い中。
購入特典音源『囁きのパレード』(数に限りがあります)のおかげか、特にDISK UNIONで好調に売れて初回入荷分売り切れの店舗もあるとか。ありがとうございます。

よろしければ事前にお買い上げいただき、復習予習しておのぞみいただければ幸いです。
また彼岸の姿で、お目にかかれます。



廻天百眼の主宰・石井飛鳥氏の告知がとてもちゃんとしてたので、URL 書いておきます!
http://ishiiasuka.com/archives/4257続きを読む

麻人楽音楽劇05「幻視+」その2・人物紹介

[出演]
戌井 伶(いぬい・りょう)役:麻宮チヒロ


麻人楽にレギュラー出演してはや5本。いつもありがとうございます。
始めたとき芸名がTETRA。だったから麻里+TETRA。+西邑楽曲=「麻▼楽。」としたのに、麻宮チヒロに改名したのと、関わってくれる人が増えたことから(「麻」も入ってるし)挟む文字を「人」にした。
あとから知ったんだけど、matra[マトラ]って音は、インドで拍、手拍子という意味があるそうです。とってもいい名前。

『幻視』初演で伶を、去年末の『幻夜』で100年前の世界の壮(『幻視』の伶の祖父)をチヒロさんは演じた。今回もう一度伶さんをとお願いしたら「壮をやったことが絶対乗っかるから楽しみです」と言ってくれた。初演では物語の典型の「開けるなと言われて開けてしまう人」だったが、今回は「真実を知っても自分の気持ちは揺らがないと覚悟を持って開ける人」だという、とても大きな差がありました。
脚本のわたしとしても大きな発見だったし、演じるにもだいぶ心持ちが違ったみたい。同じ台詞でも全然違う表情で言ってたもの。
女優たちに「なんで開けちゃうのかしらねー?(笑)」とからかわれながらも、誠実であろうとする男を演じた。「君の目に映るものを僕も見ていたい」なんて台詞は彼だから成立したと思うし、「大丈夫だよ」は今回なんだかえらく弱気になっていた葉子を勇気付けてくれました。ありがとう。
指切りしたから、きっと来世。


箱の中の祖父の指は(奥山友太さんのアドバイスのおかげで)チヒロさんの指を型取りして作りました。
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影(鬼の影):稲川実加
 

初登場の『幻夢』で双子の妹を、『幻夜』で生まれ変わりの母を演じてくれた実加りん。
さらに百年後の『幻視』の世界では母の依代のヒトガタであり、葉子の分身でもある影(鬼の影)という役でした。ああ時系列なんだ、すごいな。
動き・語り共に質感が好みなので、悩んだけど、企画上敢えて片方に絞り、動きの人に。「みかりんのここを見て!」って場面がたくさんあったが、マイク位置の問題で当日の映像(照明)にうまく当たれていなかったり、ああ!!みかりんにも、お客様にも申し訳なかった。次回是正します。

持ち物や服装が幾度となくかぶって「他人とは思えない」と冗談みたいに言ってたけれど、今回の稽古中にも「その靴下…!わたしも持ってる!」と言われ、半ば本気で前世からの縁かもしれないと思い始めている。
青蛾館で吸血鬼姉妹役をやったことも踏まえ、初演からあった吸血鬼疑惑の場面を増幅して、吸血シーンを撮影。葉子が自分の極の分身である影と、互いの血を飲んで混ざろうとするシーン。
だけど見た目はラブシーンなので、ふたりが絡んでるのを一人見守るしかなかった映像監督は、「俺はなにをしているのだろう…」と撮影時も編集時も複雑な気持ちになったとおっしゃってました。

本番でも絡みましたし。
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鬼(影の鬼):左右田歌鈴
 

役としては実加りんと同じく式(祖母の依代となるヒトガタ)。
「オペ兼ちょっと出演て感じで手伝ってもらえない?」と誘った『幻夢』は「結局普通に出てるじゃん!」そこから始まって3本め。1本めで閃いた役割がそうだったから、3本とも語る人/語り継ぐ人の役割を担う。『幻夜』なんか名前が「嗣(つき)」だもんね。今回の役も、イメージは寺山修司『仮面劇・犬神』の女詩人。今回もぐんぐん成長しました。

本番2日後のtwitterでの会話を転載。
[歌鈴]麻人楽幻視+のおはなし。
今回は全てを見てきた者として物語を伝える役割を持って舞台に立っていたのですが、今までの役と時系列を考えると今回の影の鬼をやったのも必然だったのかなって思ったり。時系列も私の出演してきた順番も、幻夢→幻夜→幻視(+)なのです。

[まり]そうだね。実際の歌鈴ちゃんも幻夢からこの物語を眺めて来た。
そして物語の外側から語る人物が完全な傍観者ではなくて、本人とも糸が交わってるってのが、わたしが見たいものなのです。いつもありがとう。

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尾崎葉子役:こもだまり
 
満員でバタバタしてて、撤収後の道端で撮ったこれ(左)しか正面の資料写真がないので、
2014初演『幻視』のツーショット(右)を。

参考にこちらが『幻夜』での葉子と壮。
葉子は100歳若いからか前髪ぱっつんで、両目とも赤(幻視の葉子は無くなった左目の目隠しに、髪飾りも逆につけています)。
壮の眼帯は白。犬が戌井家の紋章になるのは、伶が生まれたあとなのです。
 
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[特別出演(声と写真)]
祖父・戌井 壮(いぬい・そう)役:昭和精吾


1年前『幻視』の為に録音した昭和さんの声を使うのは当然ながら、映像プラン考えてて思いついて即監督に質問、「やり過ぎかな?」「いや、いいと思う!」。
出来上がった映像を稽古場で見せながらみんなに「ふざけてるっていうか不謹慎と思われるかな?」「ううん、いいと思う。だって、これまりたんしかできないし!」と勇気付けられ、昭和さんの写真を投影しました。「生まれる前に死んだので、僕は祖父を写真でしか見たことがない。その祖父が、先月夢に現れた」と伶が言って、祖父(昭和さん)の声が流れるシーンで。実際に昭和さんの遺影にした写真。10年以上ぶりの再会となる渋谷ジァン・ジァンの頃のお客様が「声も写真も…」と喜んでくれて、FOXPILL CULTのお客様も昭和さんの声について言及してくださって、一言でもやはり昭和さんは昭和さんなのだと改めてボスの声の力を思った。
---
続きを読む

麻人楽音楽劇05「幻視+」終幕御礼

麻人楽5つめ、「幻視+」終幕いたしました。


映像のこと、作品のこと、人のことなど、いろいろはまた改めて語りたいと思います。

本番の様子は廻天百眼の石井飛鳥さん撮影の写真と、おなじく大内晋次さん撮影映像からのキャプチャーにてちらとご覧ください。選別したらアルバムで公開予定です。

大袈裟かもしれませんが、昭和精吾亡きあとの、わたしの再出発となる作品でした。
ここに今まで麻人楽の作品に出演してくれた4人全員が揃って、
初演時に録音したボス・昭和精吾の声も在って、
手伝うよと言ってくれるかたがあり、
たくさんのかたが駆けつけて見届けてくださった。
関わってくださったすべてのかたに、そしてこの場を設けてくれたFOXPILL CULTに心から感謝を。


FOXPILL CULTレコ発企画 ポトラッチデッドvol.21 -NONATION-
麻人楽-matra-音楽劇「幻視+」 2016.4.8 東高円寺U.F.Oclub


[脚本・演出]こもだまり(昭和精吾事務所)
[音楽・映像]西邑卓哲(FOXPILL CULT)

[出演]
戌井 伶(いぬい・りょう):麻宮チヒロ
尾崎葉子:こもだまり
影(鬼の影):稲川実加
鬼(影の鬼):左右田歌鈴

[特別出演(声と写真)]
祖父・戌井 壮(いぬい・そう):昭和精吾




[衣装製作(影・鬼)]左右田歌鈴
[当日オペレーション]倉垣吉宏(舞台芸術創造機関SAI)
[当日映像撮影]大内晋次
[当日スチール撮影]石井飛鳥(虚飾集団廻天百眼)
[造形アドバイス(指)]奥山友太

[協力]
昭和精吾事務所
舞台芸術創造機関SAI
FOXPILL CULT

[感謝]
寺山修司・武田泰淳
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