Air*Log

語り歌う女優、こもだまりの製作日誌(2005〜)。 演劇・語り・ライブ等の上演情報や、稽古や、思索。 昭和精吾事務所 二代目代表。脚本・演出家。麻邑楽×麻人楽。 ヒューマンアカデミー演技講師。

2017年10月

池の下・葵上/班女)稽古スタート



稽古初日。
このメンバー、4人の俳優と長野さんで三島の世界をお見せします。

光/吉雄役の平澤瑤さんだけが初対面でしたが、会ってみて納得。
池の下の前回公演である実加さんと平澤さんのふたり芝居「アガタ」はとても面白かった。


今日は本読みだけだったが、続けて音にしてみて、2作品を同時上演する意味があることがわかった。上演順は知らないが、ふたつの物語を続けて見ることで、もう一方の作品の解釈の助けにもなるというか、補完しあって、世界が広がると感じた。決して「これが正しい」と押し付けるのではなく、ああそうか、と、観客それぞれに気づきがあるような広がりかたを助けてくれそう。

そして、個人的には俳優に専念して物語に没頭できることにわくわくしている。
久しぶりな感覚。

方向が間違っていれば演出がちゃんとただしてくれる、共演者もちょっとやそっとでは困った顔しないだろう、と信じられる。
例えるなら、気にせず大声を出していいんだよ!と言われたみたいな感じ(笑)

誤解があるかもしれないから注釈しますが、
近年の作品の座組も演出家もちゃんと力があって、信用できる人たちです。
けど今回はちょっと特別。特別というのは技術の話ではなくて、相性とか感覚の話。

長野さんの作品を見て「ああそうだよね」とか「そこはそうするよ」と感じることがたくさんあった。
(先に書いた「アガタ」がまさにそうだったので、長い感想メールを送ったのを覚えている)
だから麻人楽をやるにあたって質問して、参考文献を教えて頂いたりもした。

実加りんとは、出会った頃から同じものを持っていたり、打ち合わせたみたいに同じ色の服を着てたり「前世からの因縁があるのかねえ」ってふざけて言うくらい奇妙なシンクロをすることがあった。
長野さんは、そういう符合を引き起こす人なのだと思う。
普段いない場所(しかも道を間違えたハプニングのせいでわたしはその時間そこにいた)でばったり長野さんに会ったこともある。
今日も長野さんの発言で、わたしと実加りんがついこないだ話したような内容が出てきた。

実加りんが「個人的に、いまがこの作品をやるのにベストタイミングだなと思う」と言ったように、わたしも個人的な理由で、なるほどいま「班女」が来たか、と感じていた。
初めて「班女」をやったのは8年前。あの時には知らなかった感情をこの数年に味わった。
平穏を装ってたけど振り返ればそこから数ヶ月は確実に精神の調子が普通じゃなかった、不覚にも骨折するくらいには(笑)。骨はくっついたけど、折れる前には戻らない。わたしも違うものになったでしょう。

自分が演出する場合は当然、演出の視点でいる時間は多い。
共同製作の感覚であれば、演出でなくてもそう。
俳優だけやればいい時でも当然バランスは取る。客観の視点や俯瞰で共演者を見ながら作る。普段の生活で空気を読むのと同じで、俳優も、その世界で生きるために空気を読む。

でも今回は「そんなに空気を読まなくていいよ」って、身を委ねていいんじゃないかって思っている。
作品自体、世間から隔絶された一室で起こる物語で、あの人たちに世間体とか関係ない。

結果は、2ヶ月ほど先の絵空箱で。
どうか、楽しみにしていてください。

==================
池の下 第25回公演「葵上/班女」

作:三島由紀夫(「近代能楽集」より)
演出/美術:長野和文

●日程:12月14日(木)〜17日(日)
14木 19:00
15金 19:00
16土 15:00/19:00
17日 15:00

●劇場:絵空箱(有楽町線「江戸川橋」駅 徒歩2分/東西線「神楽坂」駅 徒歩9分)


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告知)2017/12/14-17 池の下 第25回公演「葵上/班女」に出演します

青蛾館で2013年2月に寺山修司「犬神」、7月に岸田理生「吸血鬼」でご一緒したふたり、
池の下主宰で演出家の長野和文さん、そして9月の事務所公演にもご参加いただいた稲川実加さんと、
三島由紀夫作品に挑みます。


わたしは2009年に「班女」を朗読したことがあります。
池の下は過去に「IKENOSHITA MISHIMA PROJECT」と題して三島作品を連続上演しており、
「葵上」「班女」も何度か上演しています。

稲川実加さんは麻人楽で何度も、わたしの妹や母など、血族の役を演じていただいていますが、
それは2013年の 青蛾館「吸血鬼」の姉妹役あっての感覚なのです。そしてその演出が長野さんでした。
今年の夏はなぜかわたしの嫁役(「犬神抄_h」と舞台芸術創造機関SAI「無題」)が続きましたが(笑)、
9月には「吸血鬼」で姉妹に戻れたので、きっと「班女」もうまくいくでしょう。

三島由紀夫は大正14年生まれ。寺山さんより10歳年上だけれど、同時代に活躍した人です。
「班女」「卒塔婆小町」「綾の鼓」でしか体験していない三島ですが、長野さんの三島がどんなものか、楽しみです。


池の下 第25回公演「葵上/班女」





作:三島由紀夫(「近代能楽集」より)
演出/美術:長野和文

◆IKENOSHITA MISHIMA PROJECT
このシリーズは池の下が展開する三島由紀夫作品の上演プロジェクトです。
2008年よりスタートして、上海のアジア太平洋地域演劇祭、富山県利賀芸術公園SCOT Summer Seasonなどで上演されました。
今回はキャストを一新して近代能楽集より「葵上」と「班女」を新たな演出で2作品同時上演いたします。


●キャスト/スタッフ
出演:稲川実加、こもだまり(昭和精吾事務所)、平澤瑤、芹澤あい

照明:安達直美
音響:高沼薫
舞台協力:田中新一(東京メザマシ団)
制作協力:潮田 塁
宣伝美術(写真):原久路「バルテュス絵画の考察」より: A Study of "The Room" cHisaji Hara
企画制作:池の下

●劇場:絵空箱(有楽町線「江戸川橋」駅 徒歩2分/東西線「神楽坂」駅 徒歩9分)

●前売3,500円 当日4,000円(1ドリンク代含む)
※チケットは10月1日より販売中

●池の下 劇団チケット申込み
https://ssl.form-mailer.jp/fms/eab05c5971998

●カンフェティ チケット予約
web:http://www.confetti-web.com/detail.php?tid=41582&
TEL:カンフェティチケットセンター 0120-240-540(受付時間 平日10:00〜18:00)
※セブンイレブンの発券手数料がかかります。

●イープラス http://eplus.jp

●日程:12月14日(木)〜17日(日)
14木 19:00
15金 19:00
16土 14:00/19:00
17日 14:00

●劇場:絵空箱(有楽町線「江戸川橋」駅 徒歩2分/東西線「神楽坂」駅 徒歩9分)続きを読む

昭和精吾事務所 2017新物販通販開始のお知らせ

9月公演会場で発売しました物販、
昭和精吾三回忌 小冊子「空は本」と、音源「われに五月を第二章」の通販が開始しました。

事務所サイトのGOODS枠にて承ります。


【お詫び】
昭和精吾舞台音源02「李庚順」が会期中に在庫切れとなってしまい、ご迷惑をおかけしました。
ただいま増刷中でございますので、いましばらくお待ち下さい。
ご愛顧誠にありがとうございます。




以下の二点、本日より通販受付開始です。


===================
S_06■三回忌 追悼小冊子『空は本』※ミニ映像付き
===================
1,000円/2017.9.29発売

昭和精吾三回忌にあわせ、2017年9月公演で発売した追悼小冊子。
2013年「くらま天狗」のDVD-R付。





《内容》※敬称略フルカラー8p(210×195mm)
・昭和精吾最後のコメント(再掲載)、過去写真
・ゆかりの方々による寄稿(追悼コメント)
・事務所メンバーのコメント






【コメント寄稿】
佐々木英明氏(寺山修司記念館館長・詩人)
蘭妖子氏(元 演劇実験室◉天井桟敷/女優)
高田恵篤氏(元 演劇実験室◉天井桟敷/演劇実験室◉万有引力 俳優・演出家)
未唯mie氏(歌手・女優)





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S_07■寺山修司作品 音源03「われに五月を 第二章」
===================
1,500円/2017.9.29発売

《内容》
詩/寺山修司 原曲/J・A・シーザー 演奏/西邑卓哲(FOXPILL CULT) 



「人力飛行機のための演説草案」語り:イッキ
「日本自殺考」語り:こもだまり
「われも母の子」作曲・歌:西邑卓哲(FOXPILL CULT)


新体制の初音源。すべて西邑の生伴奏による同時録音。
※CD−Rです。
次☞9/25 昭和精吾事務所BAR■ご依頼☞showaseigo14@gmail.com■昭和精吾事務所代表。語り歌う女優。脚本・演出。寺山修司・岸田理生作品上演。実写妖怪モデル。麻人楽。ヒューマンアカデミー演技講師■客演☞廻天百眼、SAI、青蛾館、田園に死す三沢篇■協力☞FOXPILL CULT
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