新宿文化センターに、ダンスのメンバー全員で行く。2階のロビーには、最後の群舞のユニゾンをさっそく実践している若者がいた。彼らがそれをやっていた理由が、その振りが一番直接的にマーサのメソッドを使っていたからなのか、繰り返しだったからなのか、最後だったからなのか、簡単そうに見えたのか、はわからないけれど。

何度かこのカンパニーの作品を見て、だんだん身体の個性がわかってきて、好みのダンサーというのが分かってきた。
ピナ観劇ロビー去年の「天地 TENTI」ではディッタ・ミランダ・ヤジフィ(女性のダンサーで一番小さい人)がとても好きだな(身体全体がひとつの物として躍動してる感が一番強いダンス、小さな野生動物のようだ、という印象があるのは今思い出せば跳躍のイメージが強烈だからだろう。そして遠くの席から見ている私でも、見えていないのに絶対笑顔で踊ってると確信する=身体全体が笑っているダンスをする)と感じた。
今年は、男性ダンサーの、一番小さい人(名前はわからない)のソロが一番好きだった。
理由はディッタ・ミランダ・ヤジフィが好きなのと同じことかもしれないが、手と足が同等に見えるダンスをする。床に転がる率が一番高いのも彼ではないだろうか。(たいていいつも早いソロパートを踊っている人だと思う。今回は、後半の男性ソロのトップバッターだった。終盤で水の中をまっすぐ後ろに突き進んで次のダンサーと入れ替わった)あのダンスをしたとしたら、自分の身体の感覚は、側転している時や、(ラジオ体操の)回旋をしている時に感じる天地の重力が不明瞭になる感じ、を感じるのではないかと思う。自転と公転をしてる感じ?決してくるくる開店してるわけじゃないけど、そういう風に感じる。

去年のパンフレットにあるこの公演の予告を見たら、こう書いてあった。

「ネフェス(呼気)」(初演2003年)大切なもの 今 この一呼吸一呼吸

アジアとEUの接点トルコの西北部イスタンブールに滞在して制作した作品。アジア、アフリカ、ヨーロッパにまたがった文明とイスラムとキリスト教の異文化が重層する水の都の生活者の平和で夢見るような光景が展開する中、ゲスト出演のインド人ダンサー、ジャンタラ・シヴァリンガッパ(パリ在住)が天空から舞い降りてきたかのような流麗な踊りを披露し、ディッタ・ミランダ・ヤジフィの髪への祈りを捧げるような舞、かつてない「超絶スピード」の男性のソロが続く。
ピナ・バウシュのたくみな動きのカノン(追復曲)の演出により、天と地の区別がなくなり生き物すべてが溶けこむ幽玄の世界を作りだす。音楽は半分以上トルコの音楽、そしてピアソラ、トム・ウェイツなど多彩。
水と鮮やかな映像がピナ・バウシュの深遠な世界を増幅させる。2004年6月にはパリ市内劇場で初の連続16回公演。全公演売切となる。