aa6574f1.jpgかいぶつ句会の『第4回かいぶつ祭り』(今年は「寺山修司生誕70年記念」と副題がついている)に昭和さんが参加することになった。
なんでも九條今日子さんの古稀のお祝いの会で、前に呼ばれて「年末のかいぶつ祭りに昭和さんが、出てくれるそうです!しかもノーギャラでー!」司会の榎本さんに宣言される。もちろん昭和さんはそのとき初耳。めでたい席でのことで、わーっと盛り上がっちゃって、そのまま押し切られたらしい(笑)。

昭和さんからこの話を聞いたイッキさんと私もびっくり。
「こもだ照明ね、いつも通りでいいから。アメリカ一本でいくから。イッキも音響よろしくね、蘭さんもMDで曲流してってさ、惜春鳥。」
当日、現場で待ち合わせ。
タイムテーブルはファックスで来ていたけど、お名前が俳号だったり通り名で書かれていて、どなたがメンバーなのか、実は細かいことを知らないのだ。
受付で「昭和精吾事務所のこもだと申しますが、昭和はもう到着しておりますでしょうか」と聞き、通してもらう。ロビーで月蝕歌劇団に出ているのを拝見したことのある、(かいぶつ句会のメンバーでもある)川上志津子さんが話しかけてくださる。直接には初めましてなのだが、私は何度も舞台で見ている(し、このイベントを告知しているサイト上でもご挨拶した)ので初めてという気はしない。舞台での張りつめた印象(緊張感)からは想像していなかった、ほんわり感を持ち合わせた女性。
昭和さんのリハーサルまでしばらく時間があるので、客席に座ってリハーサルをみて、案内されて2階のオペ室へ。
天井がものすごく高いので、ものすごい上から下を覘く感じでオペするんだな。榎本さんがにこにこと昭和さんに挨拶にいらっしゃる。年上のかたに使う言葉ではないが敢えていえば、かわいらしいかた。

リハーサルを終えて、楽屋に荷物を置く。蘭さんや阿部千代さん、サエキさんらがいらっしゃるが、本番前でメイクしたり着替えたり忙しそうなので、失礼してロビーに降りる。お客さんでごったがえすロビー。座席が足りなさそうなのと、オペのため途中退席する為、端っこの方に座りたくて客席入口付近で立っているが「どうぞ座ってください」と再三係のかたに言われるので仕方なく暗くなった客席に座る。お隣はストライプのスーツの紳士。細身だけど存在感のある人だなあと思う。一列後ろのイッキさんに「上あがるとき声掛けてね」と言って本番を見る。

式次第は以下の通り。

1)歌唱「時には母のない子のように」なつこ
2)開会の辞 黒川俊郎丸亀丸
3)シンポジウム「寺山修司を語る」(九條今日子・齋藤愼爾・萩原朔美・八木ブセオ忠栄・榎本バソン了壱)
4)朗読「書物の私生児」川上賎女史津子
5)歌唱「惜春鳥」蘭妖子
6)特別ゲストトーク「魂の一行詩」角川春樹
7)朗読「田園に死す」蜷川有紀・阿部千代
8)朗読「アメリカよ」昭和精吾

   〜ドリンクタイム〜

9)歌唱「SPAM ROCK」サエキ子覘けんぞう
10)ダンス 雪香
11)かいぶつ大句会(司会:バソン・おゆき坊)
12)落語 金原亭世之介
13)かいぶつオークション(司会:子覘・賎女)
14)閉会の辞 八木ブセオ忠栄(司会:金原世之介・阿部千代)

蘭さんの歌の前にオペ室にあがる。蘭さんは真っ赤なタイ(リボン)のセーラー服で逆毛を立てて歌いきる。
オペ室でそのまま見ていると、後ろに気配を感じ、振り向くと出番を控えた昭和さん。角川春樹氏の話にウケている。「俺の出番いつだっけ?(角川さんて)話おもしろいな」と一言のこして舞台袖へ向う。
燕尾服に身を包んだ淑女ふたりの朗読が終わって、暗転したらそのまま『アメリカよ』に突入するという段取り。しかも相当長いこと暗転のまま「その時俺は映画館の便所の中に隠れていた。」なんて強姦の話が始まるんだから、初めて見る人は怖かったかも。

休憩になったので、出番が終わった昭和さんを迎えに楽屋へ行くと、蜷川さんと阿部さんが今度は和服へのお召しかえ中。男装の麗人から和装の美女という激変。うーん、演出が細かい。
阿部千代さんとは他の現場で何度かご一緒したことがあるので、お着替え中失礼ながらご挨拶すると「こもださん。気づいてましたよ。お元気ですか?」とのこと。こんなところで会うとは予想していないだろうから絶対私にお気づきでないと思いきや・・・忙しくても周りがみえてらっしゃるのは、やはり阿部さんのすごいところ。

下に行って、私たちもドリンクをいただき、出番を終えた昭和さんと乾杯。毎日新聞の山田記者とご挨拶したり、6月のライブにいらしてた菜採さんらとお話したり。
061216第二部も中で見ようかと思っていたのだけれど、昭和さんを囲んで他のかたとお話しているうちに始まってしまい、そのままロビーで過ごす。オークションあたりで出て来た萩原さんや九條さんや稲葉さんに「HP用に」とお願いして写真を撮らせてもらう。するっと帰ろうと言っていたのに、結構ビールを飲んで酔っぱらってしまった三人だった。