060516まり
今日は砂々良の冨美子ママの一周忌。
もちろんゆきちゃんと私は、ママの着物で参上する。
昨日仕入れた新兵器の導入で着替えに手間取り、5時を回ってしまったのでタクシー出勤。

6時に到着すると、お店はもうすごい熱気。
「お客様を煩わせたくない」というママの意向により、去年、お通夜も告別式もお客様には知らせずに済ませたから、「命日こそ」と思ってくださってるお客様が、申し合わせたかのように集ってくださったのだ。
知らずに来た何組かのお客様をお断りしないとならないほどの盛況ぶりで、お花もたくさん。

ママはお花が大好きだったから、きっととっても喜んでるな。
マスターが二人分、賄いをくれる。テーブルも座敷も満席(予約含め)なのでカウンターに二人で並んで座って食べる。と、扉が開いてお客様が。「いらっしゃいませ」とふたりで席を立って、おしぼりと突き出しを出して注文をとる → 伝票を書いてマスターに伝える → 席に座って食べようとする → と、また扉が開いて・・・の繰り返しで、全く食べ進まない。おしぼりももう巻いてあるのがない。とりあえず先に5つくらい巻くことにして、ゆきちゃんには食べ進んでもらう。ふたりとも早食いのほうなんだけど、なんだかんだ20分くらいかかって食べ終えて、やっとこさ二人体制に。

座敷のお客様が5名様から4名様に変更とのことなので、卓をふたつ繋げていたのを元に戻す(間を衝立で仕切る)と、やっぱり5人 になる、というのでまたふたつ繋げる・・・など着物で仲居さんのように働く私たち。忙しすぎて笑ってしまう。なんて賑やかな命日か。

カウンターで常連のOさまやTさまが「ビール飲もう」とマスターとママと私たちの為に取ってくれるのだけどそれをのんびりいただく暇もなく、あっちこっちで「氷なくなっちゃった」とか「ビール一本」とか「おすすめは?」なんて声がかかるてんやわんやぶり。
7時すぎにはやっと来るべきお客様がみないらして、ある程度落ち着いたかたちになり、ゆきちゃんとふたりで、やっとビールをいただく。

060516着物お客様に「今日はどうしたの、着物で?」と聞かれれば「ふたりともママの着物なんですよ」と答える。今日の着物はあまり見覚えがないという。それでも「ああそう、こうやって着てくれると嬉しいねえ」といってくださる。
マスターとママにはお子さんがないから、どちらかといえばママ似のゆきちゃんと、どちらかといえばマスター似の私とがまるで娘さんみたい、とお客様はかわいがってくださる。
私たちも、勝手ながら親戚の子のような気持ちで(図々しくいえば娘のような気持ちで)出ているので、そういってもらえると嬉しい。ふたりは砂々良に来てもう2年2ヶ月。勤務歴は、歴代バイトさん記録を更新したらしい。

ふたりで写真を撮りあってたらマスターに「いいから遊んでないで仕事しろ」と叱られた(笑)。
ゆきちゃんがえんじの小紋に、グレーっぽい地にチューリップの描かれた帯。花の図柄の帯が、ママ箪笥にはたくさんある。
私は海老茶の地に曼珠沙華みたいな花が大きめに入った紬に、黒地に桜の帯(北海道は桜これからだというしね)。帯まで撮ろうとしたら顔がなくてマネキンみたい。昨日仕入れたのヒップパッドのおかげで、帯がいつもよりずっと安定している。これまでも緩んだり崩れたことはないけど、背中側が下がってくる、それが解消されて、感じがよい。
ママが元気なうちに、お店でどんな風に着てたのか直接聞いておきたかったな。
ママはお掃除やお品書きを作ったあと、座敷の奥で、手早く着替えていたそうだ。お客様は、よくその話をする。「早い時間に来るとママがまだ洋服でさ、『ちょっと失礼するわね』って引っ込んで、10分もしないで着物で出てくるんだよ。夏でもさらりと着て、ほんとに涼しげでさぁ・・・」と。店にたくさんある着物姿の写真をみているから、目に浮かぶ。

今日はこんなにたくさんの人がママに会いに来てくれて、ほんとうにいい日だったと思う。
ありがとうございました。