原動力としての怒り(2008.6)着物メモ 2007秋〜2008春

2008年06月29日

繰り返し繰り返し

先々週終わった舞台『Bon Voyage!』の衣装返却で、女優5人と主宰の香坂さんとで集まる。
「まだ2週間なのに、もうひと月くらい経った気がする」と富山さん。
「毎日会ってたからね」と海ちゃん。

め組のおふたりはもう8月公演の稽古まっさかりらしい。

居酒屋で「改めて打上げ」。
「ゲネは緊張してたよね」とか「初日終えてダメ出ししたら、二日目が格段によくなってびっくりした」とか「あのシーンの照明がきれいで・・・」とかそういう全体的な話も聞けて、よかった。
香坂さんとは着物絡みでまた会えるだろうから、その時に詳しく話が聞けたらいいな。
藤居幸一さんの撮ってくれたゲネの写真をみたことで、初めて少し、見えてた絵を確かめることができた。ものすごく新鮮な気持で。

普通、演じてる時には客席から見た絵を想像してるものなんだけど(ダンスしてる時にも踊りながら、鏡でなく、あちら側から見た画面で思い浮かべてるように/普段でも自分が人からどう見えてるか自然に考えているように)、今回はその度合いが少なかったようで。
演出部がちゃんと見てくれてるっていう信頼感があったからこそできたのだろうが、今までとは違う作り方だったみたい。こんなに客観的に見てない(想像してない)舞台っていままでにない。
そういえば、ポジション確認しようって話して、鏡に向かって稽古したとき、気持ち悪くて鏡見られなかったっけ。


稽古日誌のどこかで書いてるかもしれないけど、完成させるような作り方じゃなかったからだろうか。
松井さんに打ち上げで「こもださんはきっちり作って来るのはわかってたから、どれだけ崩せるかが勝負でした」と言われて、ちょっと納得がいった。(自分が「きっちり作って来る」役者と思われたのは意外だったけど)それであんまり段取り演出つけずに、フリーに近い形でやらせたんだなと。構築するような作り方じゃなくて、ある意味、毎回を「あやうい」「不安定な」「あいまいな」「揺れてる」ところに立たせたかったのだと想像する。客席から自分を見る余裕なんてないくらいの足場に。
松井さんはきれいな芝居ってあんまり好みじゃなくて、みっともないところとか、そういう所が見たいって言ってた。そういうところに感動するって。
それは明言化されてたわけじゃないけど、その意図は通じてたらしく、あんまり、きれいに立とうとか、見た目美しくあろうって意識はすっ飛んでて、ただただ目の前のことに翻弄されてた。
だから自分の写真見て「あれ、これこんな形になってたんだ・・・ぶさいくな・・・」とおもしろかった。
とはいえ、坂戸は「動きとか立ち姿がきれいだったの」といまさら、褒めてくれた。彼女とは10年程前からの付き合いで、演劇とダンスを5年以上一緒にやってたから、わたしの動きなんかさんざん見てきてるというのに、だ。だからそう言われたことは意味がある気がする。
声についても、稽古期間中に酒井さんに「いい声ですよね」と言っていただいて驚いた。取り立てて言われたことなかったから。お客様にも「いい声」と言われて、「いい声」ってなんだろう・・・と改めて思う。自分の声は、朗読CD作ったときや、ライブの録音聞いた時に聞いて、嫌いではないけど、いい声だと特に思ったことはない。むしろ自分の耳で聞いてる声のほうが好きだと思ってた(聞かせられないのが残念だが)。「いい声」ってどういう意味で言われたんだろう? いまさら気になってきちゃった(笑)仮にもボーカルやってる癖にこんなことでいいのかしら。

ボーカルで思い出したけど数日前、レコーディングした時、もう自分の声に違和感がなかった。
自分で聞いてる声と、スピーカーから流れる声とが(明らかに違うんだけど)同じだと認識できるようになったのだろうか? 録音した声を聴く機会が多い人って、そうなってるんだろうか?



いい時間になって、じゃあ行こうか、と店を出る。
駅まで歩いて、「わたしはこっちだから」と三々五々帰っていく。
いつものこと。久しぶりだね、と会って、またね、と別れる。
繰り返し繰り返し、こうやって、会わないことに慣れて行くんだ。

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この記事へのコメント

1. Posted by ぐんじ   2008年07月03日 01:06
最後の一行に、深く共感しました。
人生の真実の一つですね。

ええ、お察しの通り「ややロー」な心持ちです。
2. Posted by まり   2008年07月03日 02:01
>ぐんさん

あはは。ぐんさんたら。
いいんです、別れるからこそ、再会の喜びを味わえるんだから!

けど、さみしいのも確かなことだよね。

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