ちょうどいろいろ一段落したところだったので、映画でも見てのんびりしたいなーと思った時に、たまたま友人が貸してくれてたDVD「シンデレラマン」が手元にあったので見た。
ボクシングの映画だってことしか知らないで、主演が誰とかも全く知識なく。
ボクシング映画といえばウィル・スミスの「アリ」とデンゼル・ワシントンの「ザ・ハリケーン」くらいしか・・あ、「ロッキー」忘れてる。ロッキーは1しか見てない。
そのくらいの感じで、あんまり期待もしてなかった。わたしのボクシング知識は全部「はじめの一歩」だし。


主人公は実在のボクサー「ジェームス・J・ブラドック」で、彼の辿った数奇な運命と家族愛を描いた映画。
試合のシーンでは手に汗を握って祈りつづけた。勝利より、早く終わってほしいと祈ったのは、家族のシーンが丁寧に描かれていたせいで、奥さんの友人みたいな心境で見ていたからなのかな?


よかった。かなり好き。
大恐慌時代の話だからボクシングは昔のボクシングだけど、選手目線で見る試合シーンは迫力あって映像として説得力あった。
ラッセル・クロウ(初めて認識した)はいい役者だった。表情とか動きとかの見た目も声も。
1930年代の父親・夫の美学というか・・・あるべき、かっこいい男を見事に演じてた。


魅力的な人物が、苦境に立っても家族や友人を守るために諦めない。
そんな彼に賭けて応援する人たち。
しあわせな時間だった。『ライフ・イズ・ビューティフル』を思い出した。
ボクシングを知らなくても楽しめると思うので、興味が沸いたらぜひ。


「ダ・ヴィンチ・コード」のロン・ハワードが監督、主演はラッセル・クロウ、奥さん役はレネー・ゼルウィガー。
日本語公式サイトはこちら



以下(追記に書きます)、本編に関するネタバレにならないと思うけど、ちょっと印象に残った台詞など書くので、これから見ようと思うかたで、知りたくないかたはご注意くださいませね。





特に印象に残ったのは主人公の言ったことふたつ。

失業者がたくさん出ている時代で、家には食料が乏しい。上の息子がサラミを盗んで来たので、父親である彼は当人を連れて肉屋に返しに行く。その帰り「人の物を盗んではいけない。わかったね」と諭す彼に息子が「はい」と素直に返事をして続けて言うには「友達が親戚の家にやられた。食べるものがないからだって」。
彼は「いまは厳しい時だからな」と答えて息子の目を見て「約束する。どこにもやらない」と。泣き出す息子を「不安だったんだな」と彼は抱きしめる。



レストランで出くわした次の対戦相手に「未亡人にするには惜しい」と挑発された奥さんが水をかけて出て行く。「おい、見たか?女に闘わせる男だぞ?」と周りに言う対戦相手。でも彼は一呼吸置いて「すごい女だろ?」と笑顔で言って出て行く。店内で固唾を呑んで見守ってた店員も客も笑った。


どちらも私なら絶対、怒っちゃってる場面。
子供が「家に食料がないから」と自分を責めてると思って、「だからって盗んじゃダメだ!」って言いそうなところを、息子の本心をみつけて、一番必要な言葉をかけてあげた。

あきらかに挑発されて、しかも奥さんをも傷つけてバカにしたようなことを言われても、ケンカを買わずにウィットで交わす(しかも観客たちを笑顔にすらした)。


もちろん映画だからよくできてるんでしょうけど、私はこういうことできないと思う。
単純にカッときそうな状況で、笑い飛ばしたり、卑屈にならずに受け止めることで物事がいい方向に進む・・・そういう場面にわたしは驚き、感動し、そういう人を心から尊敬する。そうありたいと思う。