081019 髪型


森美術館を出て甘いドリンクを飲んで一息ついたら、すっかり日が暮れている。
あわてて銀座へ。

とき緒さんは、去年の秋に一度見た、彼女が「柿」と呼んでいるお母様から譲られた着物に、同じくお母様の紺地に蝶を染め抜いた帯。帯締は赤と紺の腹合わせで、結ぶと両方の色が出て、着物と帯との調和がわたし好み(wingで買ったそうだ)。帯揚は赤葡萄酒の色。

わたしはまだ着ていなかったお召(wingで購入)。アメット・メサジェがヴェネチア・ビエンナーレで金の獅子賞を受賞した作品があるというので、唐獅子帯。


wingに到着したら、ちょうど翼さんもいらした。
「真ん中の棚は3000円セール中だよ」とのことで、いろいろ引っ張りだしてみせてくれた。
いつも閉店間際まですいません。
「こもださんは、白っぽい着物のほうが絶対お似合いになると思うんですよ。だいたい濃い色をお召しだけど、絶対損をしてる気がするんですよねー」とおっしゃる翼さんは今日は水玉のシャツで、洋服でもお洒落だなと思ってそう言うと「水玉好きなんですよ。見つけるといつも買っちゃう」とのこと。わたしがショーで着せていただいた白地に赤の大小霞(水玉)の着物は、こういうことだったんだなーといまさら二重に納得。「似合うものと好きなものとは違うからねー」と。資金が潤沢なら一番似合うと思う着物と帯をセットで見立てていただきたいところだけど、そうもいかないので、ちょくちょく来て、翼さんが似合うと思うものを着せてもらったりして、教えてもらお。

で、今日も3000円コーナーから「これなんかこもださん、似合うと思うなー」と白地に横段のお召しを皮切りに数着見繕ってくださって試着を見た結果、「今日の中ではこれがダントツですね」と、最初のお召しを指し示す。「(どれが似合うか)見たらぱっと分かっちゃうんだよね」とのこと。
翼さんのお墨付きだし、身丈も裄もあったんで、うちに嫁入り決定。「僕を信じてくれてありがとうございます」と翼さんは笑ってたけど、そりゃ当然信頼してますよー!

「でもこれどんな帯合わせればいいんですか?」と訊くと、「僕ならデコを合わせますね」と次々棚から帯を出して来てくれる。デコとかエスニックなのとか、聖書の柄の帯とか、(変わってるけど)シンプルな着物だから帯によって違って見えておもしろい! 言う通り、古典の帯だとお互いの相乗効果で(個々では素敵でも)古くさく見えてしまうのに、洋風の柄だとモダンでおしゃれ。勉強になる。

翼さんがふと気づいたように「あ、でもあれがいいな、今日買った・・・」と、キャリーバックから、今日の市でおとして来たであろう帯を取り出す。黒地に絵の具で模様の描かれた帯。なるほど、一番しっくり来た。というか、着物と帯が引き立て合ってる感じだった。うちにはこういうタイプの帯ないんだけど(笑)。「今日の帯でも大丈夫ですよ」と言ってくれたし、家に帰ったらいろいろ合わせて試そう。
この唐獅子の帯のことも、「いい帯ですねぇ」って言ってくれて、「今度うちでも、唐獅子フェアやるつもりだよ」とのことだった。

081019 帯わたしはもともと龍とか鷹とか好きなんだけど、洋服では(チャイナ服とかあるから)龍はまだしも、鷹とか獅子とかなかなか女性が着るものにはない。まあスカジャンくらいでしょう(スカジャンの鷹の刺繍のとかすごく好みだけど、さすがに持ってない)。それが着物だと帯とか半襟とかで使うことができるんで、すごくうれしくて、1年目で龍と唐獅子の帯を買った。その頃着てた着物には合わなくて、しばらく舞台衣装でしか使ってなかったけど、去年から普段にも着始めたところ。原宿でしつけ糸つきで、えらいお手頃価格で買ったもの。

そういえばこれ買ったひと月以内くらいに、別の唐獅子に遭遇したっけ。
黒と白のでっかい市松柄に一匹ずつ、獅子が交互に乗ってる帯。白の四角のいくつかは、さらに細かい緑との市松になってて、詳しくは忘れたけど、強そうな唐獅子の刺繍の癖に全体はポップなの。洋風な印象だったから、「チェス盤に唐獅子が乗ってる」って言った方が伝わってるかもしれない。悩んだ末、獅子うちにいるしな・・・と断念したから、詳しくは忘れたけれど。

強いイメージで着たい日がやってこなくて、龍は普段にはまだ使えてない。
今日みたいな、ドレスコード的に龍が呼ばれる日が来ますように。


さて、わたしがこの一連の行動をしてるあいだ、とき緒さんは帯を買うか買うまいかずっと悶絶していた。
以前ボディに着せて展示されていた薔薇の袋帯で、そのときは薔薇の振袖とコーディネイトされてたんだったかな? その時は買わないことにしたようだったけど、まだ気になり続けていたのね。鏡の前で「どうしよう〜〜」とずっと悶えてた。すっごく気に入ってるらしいけど、袋帯だからあんまり締める機会がないかもと困ってたみたい。ま、結局おとり置きしてたけど(笑)。お店のお手伝いの女性が、その間ずっと微笑ましそうに見ていたのもおもしろかった。なんにせよ、売れずに待っててくれてよかったね、とき緒さん。


翼さんが先に帰られて、わたしととき緒さんは、新人のお手伝いのお嬢さんと閉店作業する香里さんを待つ。
「待つ」と書いたけど、本当は勝手に着物を見続けていた。こないだ素敵だなーと思って超汗が噴き出した(アドレナリン放出状態)ワインレッドの着物もまだあったけれど、今日、あれだけ薄い色をすすめられたし(笑)、しばし放置。それとは別で、それこそ白地で、桃色の線で菊の輪郭が描かれた着物を見かけて、魅かれた。激しくガーリーなので、果たしてわたしに似合うかは分からないけれど。今度行った時にまだあったら羽織らせてもらおうっと。

しかし、行く度一枚は激しく気になる子がいる・・・「乙女地獄」健在である(わたし命名の「乙女地獄」が一部では共通概念になってるらしい)。


新人のお嬢さんと分かれて、香里さんと三人、日本橋の福徳塾を目指す。とき緒さんが見つけてくれたんだけど、和のイベントをしていたり、神社があったり。香里さんも近くを通った時に気になっていたとのことで、わたしもおでんが食べたい気分だったので、満場一致でガシガシ歩いて行ったんだけど、なぜかお休みだった・・・(定休日でも時間外でもないので、とき緒さんは悪くない)。リベンジを誓って、別の近くのお店でごはん。
三人ともお腹がすいているので、ごはんものも入れつつ、焼酎など。
いかの丸干しがおいしかったな。焼酎も種類が豊富で、先日ささらでも入荷した球磨焼酎「鳥飼(とりかい)」もあった。米だけど香りがフルーティーで日本酒みたいな変わった焼酎ですよ」と言うと香里さんが頼んだ。とき緒さんが芋焼酎、わたしが黒糖焼酎、みんなでまわして味見。
着物話やそれ以外も花を咲かせて、楽しいひと時だった。


[2008.10.19の着物]
081019 帯回り
着物 =マジョリカっぽくラメ糸で模様が織込まれているお召し(wing)
帯  =黒に唐獅子牡丹の刺繍帯
半襟 =襦袢についてる菊の刺繍半襟
帯揚 =イチョウと本の模様のちりめん
帯締 =オレンジ・黄色・黄緑・青・紫の五色の帯締(ささらママ)
髪  =サイドアップにしてお団子、珊瑚のかんざし2本(祖母)


帯締めは秋っぽくて気に入って使ってるものだけど、いま書こうと思って改めて見て、五色だって気づいた。三色だと思い込んでた。房をよくみたら、少量だけど紫が入っていた。
帯揚は、昨日もらってきた祖父の羽裏の布。
珍しく髪をまとめたけど、一日よくもった。横からの写真見ても予想よりちゃんとしてる。
超簡単なのに(笑)。