気に入った言葉をメモ。



「どんなに突飛な結論に見えようと、これが唯一無二の正解なのです。何故なら、ぼくの頭の中のOKランプがともっているからです」

「御手洗君、君は自分が天才だと信じて疑わないのだね?今の一言は君のそういう心理の露出ととれるね」

「そういう御質問に対するぼくの応えは、常にイエスであり、ノーです。世の中に、天才という人種と、そうでない人種との二種類がいるわけではないのです。確かに今ぼくには自然界の精霊と交信する能力が与えられています。でもそれは、ほかにこういう役割を担えそうな人物が見あたらないから、たまたまぼくにその役が割り振られているにすぎない。もっとふさわしい人物がほかに現れれば、この役はそっちへ移るでしょう。天才というのはね教授、歴史上のほんの一瞬、大勢の人間がこぞって間違った道へ入り込んでいる時、天がこれを救済できそうな一人の道化に与える、『気まぐれ』の別名なのです」

(島田荘司「眩暈」講談社文庫 p.332より)


島田荘司の御手洗シリーズおもしろくって、でもどれも長編だから気づくとぶっ通し6時間とか読んでて危険。