昭和さんについて行って、最終稽古を数時間みせてもらった。
去年の『寺山修司コレクション2』以来の、A・P・B-Tokyoの稽古場だった。
たくさんの出演者で、所狭しと暴れていて、本番が楽しみになった。


土曜日、受付の手伝いに入る。
早朝、あられが降る悪天候だったけど、わたしが劇場に向かう頃には快晴。
受付中なんか、暑いくらい。
寺山さんが台本に、この公演に関わる者はスタッフも皆黒子の服装であること、と書いているので、受付も当然黒子。顔の前に紗もつけているので、お客様はこちらの顔が見えなくてさぞ妙な気分だろう。
せいさん(福谷セイジさん)が「まりちゃん字うまそうじゃない?」と言うので何かと思えば、耳なし芳一役の点滅さんの身体に般若心経を筆で書くという。毎日衣装の陽子さん、せいさんらで寄ってたかって書くそうなので、参加させてもらった。頭から手足の指まで至るところに書く。毎日この調子で1時間ほどかかるらしい。書く方も書かれる方も大変だ。わたしは一回限りなので、たいへん楽しかったけれども。写経してるとトランスするという感覚を体験できた。
この日は一番混むという噂だったので、マチネをバルコニー席から見る。
昭和さんは眠い眠いといいながら、がんばっている。
早起きなので、連日夜遅くなるので、眠いのだ。
関係ないが、劇団から支給されたお弁当はトンカツだった。
昨日の寝る前にふと、とんかつ食べたいなと思ったところだったので、びっくり嬉しかった。


最終日の火曜、雨。
ソワレを1階で見るため、用事を済ませて駆けつける。
1時間前に着いたので、再び黒子に変身して受付を手伝う。
昭和さんの鞍馬天狗、久しぶりに見た。
久しぶりだし、本来の流れで(別の人がやるのは見た事あったけど)昭和さんの鞍馬天狗を聞いたのが初めてだった。大楽は、朗読終わりで拍手があった。
高野さんの「本心ならば浮かんでこい」のシーンが好きだった。
黒子は顔を隠して没個性にしているけど、共演したことのある役者は声と動きでわかる。
舞台上で芝居が進行する間、遊女たちがツラで扇情的に足をあげるシーンで、ひとりだけ格段に色っぽい人がいたけれど、わたしの位置からは足しか見えず、誰だか不明。
点滅さんが争乱の中ただただ跳ぶ場面は、迫力があった。