青蛾館◎まとめ1/2 企画共通スタッフクレジットfujimiya.tv 15th GIGS『深淵の指向性』@神楽坂EXPLOSION

2013年02月12日

青蛾館・犬神◎まとめ2/2『犬神』組クレジット

青蛾館 寺山修司初期一幕劇連続上演 
第三弾 「犬神」
於・中野劇場MOMO
2013/2/9(土)、2/10(日)、2/11(月祝) 5ステージ



【犬神スタッフ】※敬称略
演出・美術:長野和文
演出助手:原田武志(劇団ING進行形)

【犬神キャスト】※パンフ通り
女詩人:こもだまり
月雄 :高島美沙
シロ :点滅
取上婆・近所の女:岩倉金太郎
夫・裁判官:鋤柄拓也
近所の男・先生:長谷川哲朗
花嫁:芹澤あい
黒子1:稲川実加
黒子2:芹澤あい
黒子3:井口香


月雄:みさぽん、高島美沙ちゃん。※正式には、はしご高

そもそもジャズのダンサーさん。去年の『地球☆空洞説』で野口さんと出会っての抜擢。がんばりやさんで、いつも休憩時間に長台詞の練習をしていた。
明るくて、ももクロが好きで、おばあちゃんが好きで(鏡前におばあちゃんの写真を貼っていた)、ご家族に守られてすくすく育ったんだなあというまっすぐな子。
本番前のカツ入れにももクロ方式を導入、長野さんに渾身の「いち!」を言わせ、全員に「ウーイェイ!」を言わせた美沙ぽんはすごいよ!そのまま突き進んでほしい。


シロ:点滅さん。

神や人形という人間でないものになる姿は見ていたが、獣になる点滅さんは初めてで、新鮮だった。
台本をがっつり読み込み、作り上げる。月雄役の美沙ぽんともよく打ち合わせしていた。後輩である金ちゃんとかわたしが言うアイディアを否定せず、柔軟に貪欲に受け取り昇華する。
一番好きだったのは結婚式の日の、ラストシーン(エピローグ前)。このシーンが現在の形になった日に、シロを点滅さんにしたのは大正解だと思った。
そこまで、獣であり月雄の分身である姿しか見せていなかったのが(飽くまでわたしの解釈だけど)母であり仏であるものに変化する。絡まった因縁の糸を解きほぐす仕草の影が白幕に映り、美しかった。
「シロ」と名を呼ばれ、かくれんぼの鬼に見つかったかのように顔を上げ、鬼の役になって月雄と目を合わせたまま近付くシーン、何回見ても涙が出る。とはいえすぐエピローグの語りだから目を赤くするわけにもいかず、ちょっと上で見てる誰か(感覚としては過去のわたし、みたいなもの)に泣くのは任せてた。昭和さんも「点滅がシロってのはいいアイディアだな」と言っていた。

舞台であんなにかっこいいのに「シャワー浴びちゃった!」と本番前にずぶ濡れで楽屋に駆け込んで来たりする(カランで足を洗おうとしたらシャワーに切り替わっていたらしい)。寄ってたかってタオルで拭かれ、剥げた白塗りを塗り直してもらう点滅さん・・・それこそ俄雨に遭った犬のよう。しかも二度(笑)。この座組の癒し担当でもありました。



姑:丹羽克子さん。

パワフルのひとことに尽きる、とはよく言われると思うのだが、加えてとても細やかなセンスを持った女優さんだと思う。そうでなければ、例えば着物を着たことがなくてあの着方はできない。普通に着たときにあまりにも美しい着姿だったので通し稽古を見たマダムが「きれいすぎてお婆ちゃんに見えないから細工しましょう」と言ったほど。
昭和さんが演じる姑とは違う味で、かわいらしさとお茶目さを持った姑だった。
人へも物へも感謝の念を忘れない人。打ち上げの別れ際、「まりちゃん、甘えたくなったら甘えにおいで」と言ってくれたので、きっと行く!

写真はスタンバイ後の舞台袖で撮った。点滅さんが怪しく映り込んでいる(笑)



取上婆・近所の女:金ちゃん、岩倉金太郎さん。

気付けば女役のみ。歌舞伎メイクが似合いそうな顔なのにお化粧したら結構女顔だった。
金ちゃんがでかい声を発するおかげで場が進む、そんなありがたい人。努力してる姿を見せずに結果を見せる。豪快な様子だけどきめ細やかな人よね。


夫・裁判官:スッキー、鋤柄拓也さん。

メイクすると「こもださん今日もお綺麗ですね」と言ってくる謎の儀式を毎日行っていたスッキー。いい奴なのか黒い奴なのかわからないが、吸収率が高く、おもしろい。まわりをよく見て気遣ってくれてるのでたぶん好青年…だと思う。中身は案外古風な男。
持ち前の見た目のよさもあるし、どんな俳優になるか楽しみ。着物の着方も上手になったしね。


近所の男・先生:てっちゃん、長谷川哲朗さん。

本番の前の週にインフルで離脱、あわや降板かという窮地に陥るも、復活後の気合いで乗り切った。ハニーフェイスに似合わず図太い神経の持ち主。お大事に!


黒子1:みかりん、稲川実加さん。

池の下の『犬神』で月雄をやった女優がやる黒子って!
設定値が高く、ちゃんとそこに到達する人。
わたしと同じ鬼女「紅葉」を元にした役(わたしは廻天百眼『鬼姫』の「紅葉(くれは)」、みかりんは鬼面組『紅葉襲の明烏』で「紅葉(もみじ)」)をやった人だと知って、他人とは思えない気持になった。
身体訓練期間に見たみかりんの動きはしなやかで強く美しく、しかし飲みにいけばほやほやしていて、しかもし好みの顔をしていて(笑)、最初からなにかと気になる存在だった。
今回直接的な絡みがなかったので、いつかまた一緒にやりたい。


黒子2・花嫁・ミツ・少女:あいちゃん、芹澤あいさん。

早替えたくさん、パンフではクレジットしてないけど月雄の母のミツ(赤襦袢)、月雄の夢の少女もあいちゃんだった。袖からそっと覗いた、赤い櫛で髪をとかす少女の白い背中、美しかったなー。
オープニングとエンディングは提灯隊で着流しを着て男装なので、スタンバイ中に撮ったこの写真も謎の男。みんなにはマイケルと言われていたので、比較写真を掲載(笑)

似てるね…!


黒子3:かおりん、井口香さん。

顔合わせの日から人懐っこくみんなに声を掛けてくれて、みんなで呑みに行けた第一の功労者。
根は人見知りなので、えいやっと乗り越えて振る舞ってくれてるらしい。
裏表のない人なので信用できる。思ったことが外に現れるので非常にわかりやすい。
月蝕で共演したという大島さんを「おおてま」と呼ぶ。かおりんは「まりりんの読みの呼吸がわたしの感覚に近いんだよね」だそうで、オープニングの提灯隊でも、わたしの台詞の呼吸を読むのがタイミングを合わせ易いと言った。確かにぴったり読むんだよね。こういう心地よさの感覚が合う人ってうれしい存在。
あいちゃんはもともと知ってたし、みかりんかおりんはこんな理由で他人事と思えなかったので、ちょくちょく黒子チームの自主練に参加させてもらって、楽しかった。
長野さん曰く「かおりとこもださんは、顔の造形が似ているね・・・。いつか双子やらせたい」。
ふたりの呼吸の合い具合を試す機会があるといいな。
あと、かおりんは斜め45度から見るのが一番美人だと稽古中に発見したが、写真に収められず仕舞で残念(稽古中に写真なんか撮ったら長野さんに灰皿投げられると思って…)。


演出助手:ラディさん、原田武志さん。
ある日突然稽古場に現れて(急な依頼だったらしい)、わたしが「小林龍二ご存知ですよね、わたし去年共演したんです」と言うのに対し、「こもださんて、百眼出てますよね?俺の劇団に百眼の主宰の先輩がいて、あとこないだ撮影に行った男も俺の知り合いで、本番前におまじないする人ってこもださんですか?」と三倍の情報を浴びせかけてきたラディさん。そして自分より髪の長い人、ひさしぶりに見た。しかも男の人とは!
長野さんの演出を翻訳もし、自主練中にアドバイスもしてくれたラディさん。来てくれてよかった。
鬼門だった、奈落から現れる場面と面をつける場面もたくさん相談に乗ってくれた。
先生と裁判官の振付(エジプシャン、という動きらしい)もラディさん。
わたしの年齢を聞いて「・・・嘘でしょ(笑)?ほんとは?」本当だと言うと「絶望したー!」って、わたしが騙したみたいに言うのやめてください(笑)
打ち上げでも面白かった。「語りのその抑揚、どうやって身につけたんですか?生意気な言い方ですけど、僕のめがねに叶う抑揚の語りの人なかなかいないので。」とのことで、なにかご一緒する機会があるかも。わたしはING進行形をみたことがないけれど、ラディさんは信用したし、コバリュウがおもしろいというチームならきっとおもしろいことをやると思う。見てみたい。

演出:長野和文さん。

チラシを見てどんなに恐い人かと思ったら、って話は何度もしたので割愛。
二転三転して、舞台美術も長野さんのプランだった。シンプルだけど日本の闇と光を表現した効果的なものだったと思う。可能なら火も本物を使いたかったんじゃないかな。
解釈は昭和精吾事務所の『犬神』とはところどころ違ったが納得できるものだったし、不安なく入り込めた。むしろ、稽古序盤はどうしても自分の知っている『犬神』が出て来てしまうわたしは長野さんの要求をなかなか体現できず、歯がゆい思いをさせたはず。辛抱強くいくつもの表現で説明してくれた長野さんだった。
そして立ち稽古に入ってからは、見ていて気になるところが驚くほど合致し、わたしが感じたまんまダメ出ししていることが何度もあった。もちろんわたしが思い至らないこともおっしゃって、なるほどそういう風に捉えられるのかと発見もたくさん。顔合わせの際に言ったとおり、新しい『犬神』の可能性を見ることができた。このタイミングで呼んでもらい、そして女詩人という俯瞰でありながら中心という位置から『犬神』を経験できたことは財産だ。
twitterで演出に密やかに陰陽道を用いている、とつぶやいていたが(その性質上、出演者にも説明はしていないのでわたしも気付いてないものがある筈だが)お客様はどのくらいわかっただろう?
稽古序盤にやった身体の稽古も抑制と暴力性の両輪が必要な、わたしの好きな系統の稽古で楽しかった。WSあったら行きたい。(SAIの稽古方法にも通じるものがあったので、たぶんおにいも好きだと思うよ、あの稽古。)
そして違う作品も見てみたい。前回公演『エレベーターの鍵』はコバリュウも絶賛してるし、見たかった。
そういえば劇団名の由来は地名らしいが、砂々良の近く(十二社池の下)のことかしら?




すっかり長くなってしまった。
おもしろい人たちと出会えて、一緒に『犬神』を作れて、濃密で楽しい一ヶ月でした。
すぐにあちこち口だすし、本番前におまじないに回るわたしを受け止めてくれたみなさま、ありがとうございました!




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