廻天百眼で共演している、常川博行さんの朗読を聞きに中野gLUVへ。


会場はカウンターとテーブル席いくつかのバー。
『少女椿』をご覧になったかたもいて、私演じる蛇女・紅悦の相棒だった蛇の[みょん]の話になった。おとなしいいい子だと褒め、舞台にはビルマニシキヘビがお薦めだと言われた。「上手に扱ってましたね」と言うから変わった感想だと思ったら、なんとペットショップで蛇を扱ったことがあるとのこと。
ビルマニシキヘビ、調べたらすんごいでっかくなる種類だった。なのにおとなしく、美女と大蛇、的な構図にとっても向く子らしい。数mあるようで持ったまま(むしろ「背負ったまま」「抱いたまま」と表すのが正確かも)歌うのは大変だろうな。噛まれそうな時の対処法をお聞きしたので、次があったらこの知識を活かそう。


会場はカウンターといくつかの席のこじんまりとした居心地のいいバー。
ボックス席が埋まっていたので、カウンターでカルーアミルクを飲みながら開演を待つ。
常川さんが控室から現れて「ここ(カウンターの中)で読むんだよね」と言う。
会場には奥様のナッツさんが「わかる古事記」のイラストを担当された、つだゆみさんもご一緒だった。今日ナッツさんに会えるだろうと、先日ナッツさんの著作「わかる古事記」を買いに行ったが品切れで、取り寄せを頼んで来たところだった。あー!今日持っていれば…!

『クリスマスキャロル』は市村正親さんのひとり芝居で見たことがあるが朗読は初めて聞く。
ディケンズ本人も朗読していたという。2時間ほどの作品をナッツさんが短くまとめて今日のテキストになっているそうだ。


常川さんがカウンターに本を持って控え室からやってきて「この格好じゃドリンク注文されそうだな」などと言いながら、しばし客席と談笑、「ではそろそろ始めましょうか」と、なだらかに始まったのだった。

圧倒的な語りができる人が、語りかけるという手法で聞き手を引き込んで行く。
特筆すべきは、朗読の部分以外の、おそらく端折った部分をフリートークで解説している部分。
俳優・常川博行の魅力以前に、常川さんご本人の魅力・・・あの真剣な時でもどこか遊んでいるような少年性、場にいるみんなを包む込みような父性、そういうものが総動員されている。

もちろん、登場人物として話す言葉も、[怪奇幻想文学朗読者]は、見事に演じ分けていた。
それはホームパーティで親戚のおじさんが子供達に絵本を読んで聞かせている、そんなクリスマスにふさわしい光景。
楽しい夜だった。