これはなんでしょう?
そうです、マイ鉄板です!


先日ちらっと「骨折のこと書きます」と予告したら
「心配なので早く記事を書くように」と各所からお叱りの声がありました。
ご心配おかけしてすみません(汗)。
いまは、というか、直後の本番も誰にも気付かれずにできる程度だったので大事ないです( ´ ▽ ` )



3/21の「くるみ割り人形」小屋入り前日の最終稽古の通しの最中のことでした。
段取りをかえたての群衆シーンで人と接触し、小道具の水晶玉の中身が床にこぼれました。ダンスシーンなので踏むと危ないから拾わなきゃ、と振り向いたら再度人と接触しそうに。それを避けたら右足を前のめりにひねりました。足の甲がぐねっと床に着く感じ。あ、痛いな、とは思ったんですがそのまま通し稽古をして、4人のダンスもラストの走りまくりの一連も無事に遂行。
しかし終わってから足をみたらちょっと腫れてて「おう…。」
骨折って吐くほど痛いって言うし、今日全然踊れたし、大したことないだろうとタカをくくって、そのまま稽古場撤収作業して帰宅。駅から自宅まで歩く時にちょっと違和感と痛みが。
その夜、家族だけには知らせておこうと撮影した画像、記事のラストに貼っておきます。一応きらきら加工したけど青いし丸い(笑)痛そうなの苦手な人はご覧にならないように。


翌日は仕込み日、幸い俳優陣は入り時間遅めだったので病院へ。
「骨折って吐くほど痛いって言うし、まあ捻挫だよね」と自転車をこぎ、劇場付近の整形外科で事情を話したら「ここ痛い?ここは?」とグングン押されて、「あー、変形はしてないけど、レントゲン撮っておこうか」。
「妊娠はしてない?」レントゲンてそんなこと聞かれるんだ…とぼんやりしながら撮影、数分待たされて診察室に戻ると「ここさ、わかる?ささくれみたいになってるとこ。折れてるね」と簡単に骨折診断が下ったのでした。

先生「小指のここが折れてるから。できるだけ動かさないようにして。安静にしてて全治3週間ね。」
まり「あのう…そこの芸術劇場でもうすぐ本番で、しかも結構踊ったりするんですけど…」
先「踊るの?うーん、動くと変な風に曲がっちゃったりするからなあ、それ休めないの?」
ま「もう稽古も終わってますし、昨日一応一通り動くことはできたんで」
先「じゃあとりあえず鉄板で固定しよう。」
ま「鉄板入れたら踊れないですよね。テーピングとかでなんとかなりませんか?」
先「えー、鉄板入れた方がよくない?」
ま「爪先立ちとかできないですよね?」
先「…。」
ま「テーピングとかで…」
先「じゃあ本番だけ外していいけど、普段は鉄板。小指をとにかく動かさないように。」

鉄板を添え木として足の裏にテープで貼り付けられ、その上から湿布をされ、さらにゴム状のサポーターでぐるぐる巻かれて固定される。

先「はい、靴下履いていいよ。名称書いておく?」

と、付箋紙にさらさらっと書かれたのがこれ。


『右第5中足骨(ちゅうそっこつ)頸部骨折』
そのあと毎日ゆるい靴下とムートンブーツで劇場に通うことになったのでした。
冬でよかった。


劇場から帰宅して靴下を脱いだら指が真っ青。サポーターをきつく巻いたらうっ血したらしい。
昨日より悲惨な見た目ぞっとして、おそるおそる爪先立ちしてみるが支障はない。
とりあえず翌日は場当たりだけで、ゲネは明後日、本番まで3日あるからなんとかなるだろう。
湿布して骨折にいい食材食べて、足を高くして寝た。
(足を骨折して入院してる人が足を吊ってるのはぶつけないようにだ思ってたけど、血が行かないように心臓より高くするのがセオリーなんだって。骨の周りの組織が炎症を起こしてるからなるべく冷やすために血を回らせないように高くするのだそうです。たしかに湯船入って血のめぐりが良くなってから立ち上がる=足に血が降りると、ガンガン痛かったもんね。)

本番は柔らかい靴でちょっとひやひやしたけど、変な折れ方をしてないせいか、柔らかい同士でまっすぐ踏まれる分には痛くないという発見。
関係者には黙ってた。知ったら気を使ってイレギュラーな動きが起きて逆に接触事故がありそうな気がした。
それにわたしはみんなに怪我をしないおまじないをする係(※)なので、それが骨折してると知られたら効き目が怪しまれるし(笑)。おまじないは本番しかしないので、わたしみたいな稽古中の怪我は保障外でいたしかたないのです。
※演劇を始めた高校生の時に知ったおまじないで、どの公演でも本番前、全員にする。最初は怪しまれるが、回が進むとみなさん自分から会いに来てくれる。わたしもやり残しあると心配になっちゃうので、ご協力ありがとうございます。



共演の田中美甫ちゃん(CHAiroiPLIN)と「私服おそろー!」って楽屋ではしゃいでいた仕込み日も、(なんかうれしかった!)


百眼衆のみなさん(廻天百眼の石井飛鳥さん、FOXPILL CULTの西邑卓哲さん、女優のなにわえわみさん)が来てくれてはしゃいだ初日も、(ありがとうございました)


テラヤマ・ワールドの笹目浩之さん行きつけのお洒落なバーで、共演の浅場万矢ちゃん(時速8次元)とウイスキーを飲ませていただいた夜も、(ごちそうさまでした)


「くるみ割り人形」終演2日後、麻人楽の流血シーン撮影してた日も、(おつかれさまでした)


骨折真っ只中でした(笑)。


麻人楽の関係者には4月1日の稽古再開初日に告白しました。去年の6月に手の指を折ってるチヒロさんは「(骨折の世界へ)ようこそ」と優しく手を差し伸べてきました(笑) 本番みたみんなが「全然わからなかった」と言うのでホッとしました。

いや、笑いごとではなくですね、
支障なかったつもりだけど、たぶん多少かばって初動が鈍かったり、少なくとも万全なら出たかもしれない120%の出力は出せなかったのだから、関係者様にもお客様方にも本当に申し訳ない気持ちです。
4月8日の麻人楽が終わって、演出の拓朗さんとプロデューサーの野口さんにも骨折してたことと、お詫びを言いました。お知らせしてなかった皆様にも、この場をもってご報告とお詫びをさせていただきたく思います。わたしがボヤボヤしてても公演が大成功できたのは、観客の皆様の暖かい応援による活力補給と、(知らなかったとはいえ自然に助けてくれたであろう)関係者の皆様のお心遣いの賜物だと思っています。ありがとうございました!



骨折することなく一生を終えられると思っていたのになあ。
骨折したことある友人には「骨折してからが本当の大人だ。」となぐさめ(?)られました。
10月には自転車走行中考えごとをしていて電柱にグーパンチして右手の中指の付け根を打ったり、
(ハッと気づいたら目の前が電柱で、慌ててハンドル切って、ブレーキ握りしめた右手が電柱に直撃したのでした。後から思えば、そのままタイヤで当たるか足を出してればよかったのかも。)
ここんとこぼんやりが多いので、気を引き締めます。

みなさんも、考えごとしながら歩くのは不慮の事故のもと、要注意ですよー!続きを読む