昨年春、思いついた矢先に自粛期間入って、ギリギリ実施した第一弾(梶原航さんWS)をまだ公開してないままの、こもだまり体験レポート企画!

郁子さんにオファーいただいて、出演作との連動企画で第二弾を先に公開します。
(梶くんのパーソナルワークショップ、ものすごく心身にいいので、いずれきちんと紹介しますね)

idenshi2021ws


第一回 講師:東野醒子
俳優。劇団「激弾BKYU」所属。蜷川幸雄演出舞台『にごり江』(たけくらべの美登利役)で舞台デビュー。1985年に劇団を立ち上げ、小劇場を中心に活動を続けている。網膜色素変性症という進行性の視覚障害を発症してからは、「耳で観る世界〜ドラマリーディング」と題した講演をライフワークとし、聴覚からの想像体験を提供している。idenshi195では2011年と2014年『潮騒の祈り』に出演。本WSでは、表現におけるビラミッドメソッドと感覚の洗練をテーマに初回講師を担当。




【東野醒子さんと私の関わりについて】
20210310_醒さん

講師の醒子さんとは青蛾館『青ひげ公の城』で初共演、その後、高橋郁子さんを紹介され、共にidenshi195の0回公演と言われる『潮騒の祈り』に出演した。
醒さんは上の紹介にもあるが、網膜色素変性症という目の病があり、私が出会った時には既に「五円玉の丸の中分だけ見えて、周辺は見えないの」と言っていた。進行性のため、おそらく当時よりも見辛くなっているのだろうが、本人曰く「舞台は物の場所が決まっているから覚えてしまえば怖くない。台詞も覚えてしまえばいい。日常の方がイレギュラーがあるからよほど大変」とのことで、観客として見ていると、(劇団の仲間の協力もあり)不自由さは見えない。醒さん自身の想像を絶する記憶力とアンテナと努力あってのことだろうが、人柄によるものも大きいと思われる。

参照:2011「潮騒の祈り」CM(こもだまり作製)
※十年前に初めて作ったCM動画なので色々拙いです。






[こもだまり WS体験レポート02]2021.3.10

〜idenshi195 2021春のスペシャルワークショップ
「本来の声で空間を変える」〜
1、求められる俳優の在り方 / 講師:東野 醒子(とうや・さめこ)




この全7回のWS初日。
手指消毒、検温、入室時のマスク交換、30分ごとの換気など、感染症対策を取りつつの会となる。

冒頭に、主催者の高橋郁子さんから、ゲスト紹介、今日のプログラムを説明。
idenshi195の作品カテゴリー名[朗読キネマ]と、脚本の形式[言葉の楽譜]について解説。(idenshi195サイトに記載があるので詳細は割愛。どちらも昨年春に商標登録済)
参照:https://idenshi195.com/aboutus/

超ちなみにだけど、私の書く、脚本の声の重なりを使ったシーンも、郁子さんは「言葉の楽譜」と認めている。それについては私の過去日誌にて。

■2011「台本=楽譜」
http://komodamari.blog.jp/archives/51875050.html
■2014「高橋郁子さん」
http://komodamari.blog.jp/20141104.html
■2021 こもだまり×高橋郁子 ツイキャス記録
http://komodamari.blog.jp/20210211.html



耳を飽きさせない工夫を脚本に散りばめることで、朗読者は動いていないのに、観客は映像が見えるようだという感想があるという。これは郁子さんが映画のシナリオを勉強していたことが関係していると思って話したところ、やはり、カット割(カメラワーク)を想定して書いているとのことだった。

また、楽譜として読み方を指定するのに「、」と「。」だけでは足りないので、独自の読点を使ったり、一音を1マス/一拍ではなく半拍でかぶせることもあるなど、こだわりを持って緻密に書かれたものであることなどを説明。


そして「定点観測」=WSの課題テキスト「船弁慶」を読んでみる。
これはWSの冒頭に毎回行い、講義を受けて変化していくのを実感するために行う。

それぞれ読んでもらった後、ついに講師の東野さんの登場。
黒いタートルネックに白系のアジア風スカートという軽やかな服装に、爽やかなショートカット、
意志の強そうな声。それでいて威圧感はなく、柔らかな印象。

「初めましての方も多いかな、東野醒子です」といい、「一応ね」と一瞬だけマスクを外して笑顔を見せ、自分について話す。21歳で蜷川幸雄の演出でデビューし、のち小劇場に移動して36年のキャリアであること、30代で視覚障害が発症したが、それでも舞台が好きで続けていること。

醒さんから得られる情報が多すぎるので、箇条書きします。
・観客は見たいところを集中して見ているのだが、見ていないところで作品の流れにそぐわない何かがあると空気が歪むのがわかる→見せるべきものから集中が削がれてしまう
・俳優は自分が経験してないことでも、想像力によってその世界を自分の身体・声を通して伝える職業
・そのために何が必要かを、自覚して積み上げていかなければ、表現が磨かれていかない、と20代で気づいて、自分の振り返るための覚書として「ピラミッドメソッド」としてまとめた
・この一年で価値観が大きく変わった今、神経が鋭敏になる季節の今、昨日まで知らなかった同士が、生身でここに集まっていることは大きなシンクロ

「だって、なんでみんなここに来たの?」と問いかける醒さん。
いろんな選択ができる中で、今ここにいることを選んだのは大きな一歩だという。


このメソッドは自分が振り返るために書いたものだけど、数年前郁子さんに話したところ、とても大事なことだからぜひ共有してほしいとのことで、ワークショップをするに至ったという。
その図が描かれた一枚の紙を全員に配布。このメソッドを踏まえて今後の講義を受ければ、吸収力が上がるはずと。

ピラミッドは0から10まであって、さらに最終段階があるのだが、最初は「0、素人」。
そこから表現をするための土台、必須事項が何段か積み重なる。
全部「できなかったらやればいいだけ」だという。

最初の2つは日常努力。
「1、体力がある」。その体力は、身体的なものの他に、観客のエネルギーを受け止める力も含まれる。
「2、大きな声が出せる」。呼吸法、響かせ方やブレスを自覚してコントロールすること。

このあと3・4・5と3段階、表現に必要な力を学ぶことについて。これが役者としての土台。
これも「できなかったら(できるまで)やればいいだけ」。
やれるようになる方法を探せばいい。
なぜトレーニングするか、それは他者と言葉や身体で共鳴するため。

さらに6・7と2段階、プロへの階段。経験値を積み重ねていく。
いわゆる「引き出しを増やす」努力。演じることに自信を持てれば説得力が生まれる。

そして「7を超えないと0に戻る」と書かれていて、さらに「8の壁」がある(汗)。
その上は俳優修業というか、ほぼ人間力をあげていく話。

ここまでが第一部。
第二部は、その先の話。表現者として吸収力を上げるための感覚を研いで行く話。
新しい価値観が生まれた今、どう振る舞えばいいか。
・・・・




そんな話を聞きました。これ以上は受講してのお楽しみ。
アーカイブでのオンライン見学はまだ受付中ですので、気になったらぜひご利用ください。

私は最後列で受講者の皆さんと醒さんを見ていた。
ある意味「さすが女優・東野醒子!」でもあるのだけど、受講者の皆さんが話に引き込まれて集中していく様子というか、受講者の波長が醒さんに合っていくのがよくわかった。

視覚を補うようにそれ以外の感覚、聴覚はもちろん、第六感も強くなっているという醒さん。
改めて客観的に醒さんを見ていてわかったのは、遠赤外線みたいなパワーだなってこと。
太陽に似ているけど、直接的に熱いとか灼かれたり傷つけるものではなく、気づくとじんわり熱をもたらすような人。それでいて浸透力や持続力は強い熱。
醒さんに出会ったことで得た感性というのは確実にある。
そういう、自分の人生のキーになっている人のひとり。
このワークショップで東野醒子に会えた人は、ラッキーだと思う。

第一回、ありがとうございました。


20210310_3人
左より高橋郁子(idenshi195)・東野醒子(激弾BKYU)・こもだまり(昭和精吾事務所)


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まだ間に合う!
オンライン見学のお申込はこちら 
※ワークショップ全7回とワークインプログレスの稽古までが対象
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2021/3/10水〜4/25日 週1×7回
idenshi195 春のスペシャルワークショップ「本来の声で空間を変える」

idenshi2021ws

【講師】
東野醒子(俳優)
川瀬隆士(能楽師)
槙尾ユウスケ(俳優/インプロバイザー)
山下亜矢香(俳優/声優/ボイスチューナー)
Kou(役者専門パーソナルトレーナー)
高橋郁子



■配信内容■
・スペシャルワークショップ全7回分と、ワークインプログレス4/30、5/1、5/2合同稽古まで
(配信される組はA、Bいずれかです)

※ワークインプログレス本番(5/2夜)は別途チケットが必要 ※詳細5/1に出します
※私はワークインプログレスにゲスト出演します
※ワークインプログレスとは、製作途中の作品のことを意味し、
WS終了後、受講者の数名と共に『朗読 原爆詩集』を作ります。

■配信期間■
・スペシャルワークショップ7回分:3/15(月)〜4/30(金)23:59
・ワークインプログレス稽古3回分 :5/3(月)〜5/11(火)23:59

https://idenshi195.com/workshop01/kengaku/

■費用(全10回/WIP本番は除く)
^貳漫12,800円(テキスト付)
一般:12,000円
2餔:10.800円(テキスト付)
げ餔:10,000円 

【注意事項】
・撮影・録音はかたくお断りいたします。
・映像は定点撮影・録音です。
・公演の配信映像等とは音質が異なります。(2021.03.15追記)