出演者紹介つづき。一つ前の記事からご覧ください、長いですけれど。
SAIの話すると、なんか長くなっちゃうね、の巻。
わたしとおにいは、光の父母と、海月の父母の両方を演じた。
そして海月の父母はセカイとタタリを作ったプログラマーだから彼女ら姉妹の父母でもある。
『イト2014』の台本にはタタリと海月との直接のやりとりは描かれていないから、演技プランでなんとか絡もうとした。で、「こうしようね」って作戦だけ相談(だいたいこの人とはそういうくらいで、綿密に事前に稽古したりしないでその場で合わせてみる楽しみ方をする)。本番、約束の場所(奥のソファ)で待っていたけど一向に現れないで、終演後「もうしわけありません。帰る家をまちがえました。」と報告して来た、海月ことTETRA。

今度また出会うときがあったら、その時はちゃんと帰っておいで。待ってる。
そして、SAIに、おかえり。




(『イト』2012)

(『PARADE』2014)

(『イト2014』)
タタリ。記憶の海でお母さんを待っている甘えん坊の娘。お母さんっ子のタタリが『PARADE』で、おにい演じるお父さん(祓/ハライ。イトとPARADEは男女が逆転している)を邪険に追い返すのを見て、お母さんのわたし(忌/イミ)は「おとうさんごめん…(わたしの教育が…)」と切ない気持ちになったものだ(笑)
かわいい娘、タタリの仲村弥生ちゃん。言いつけ通りみんなを見守って、海月を迎えに行ってくれてありがとう。

わたしもタタリを見ていたよ。(立ち位置が予定と変ってしまったハプニングにより生まれた構図だけど、よかったよね。)





そしてセカイ、おねえちゃんこと大島朋恵さん
まさか電脳セカイちゃんが光の幼なじみ(しかもお嫁に来てくれそうなやつ)としてセーラー服来てうちに遊びにくるとは思わなかったよ。キムチ屋の娘っていう稽古場での悪ふざけの設定まであったけど、人間として生きるセカイと会えて、嬉しかった。『PARADE』でも、遠くから声で、歌で光(=愛)に呼びかけてくれたセカイ。光と仲良くしてくれてありがとう。
たくさんかなしい思いをさせて、ごめんね。君が壊れてしまわないうちに手を取れたと信じたい。





そして光、有栖川ソワレちゃん。おにいも大入袋渡す時に言ってたけど、このシリーズ通しての主人公をしっかり生きた。
まっすぐで不器用で、でも一生懸命で、傷つけたり傷ついたりしながらも歩くのをやめなかった息子。
道を見失いさえしなければ、いつか辿り着けるという希望を提示してくれた役どころ。おつかれさまでした。



そして、舞台芸術創造機関SAIの人々。


またこの写真!(ずっと受付だったから撮りそびれた!)
一番奥に一番小さく写っているスーツの一見カタギだけど一番怪しい男、それが局長こと渋谷翼さん。ほんとにもう、SAIを支えてるのはこの人です。
わがままな息子(倉垣吉宏)を、叱らずにいい方向に誘導して、時には誰よりもはしゃいでいいムードを作ってくれる安心の人。





主宰、倉垣吉宏さんことおにい(あ、逆だ)。写真はわたしがチェキ撮ってあげてるとこ(を藤宮社長が撮ったもの)。


いい10周年記念イベントだったね。振り返ることでノスタルジーに浸るのではなくて「あんなこと考えてたなー」って眺められる機会を持つのは、大事だと思う。おにいはフットワーク軽くて古い服を脱ぎ捨てるのも、見つけたものを取り入れるのも得意。だからこそ、自分の足跡を辿って、過去の自分がなんでそれに拘ったのかって再考することがきっと今後生きてくると思う。
わたしとしては(節操ないの?って言われそうなくらい)現在まで積み上げて来たことに固執しない点がおにいの最大のいい所の一つだと思ってるってことを、付け加えておく。
この企画、10周年イヤーの間の一年続くらしいから、まだ終わってないけど、ここからの10年もまた実り多き時でありますように。

お父さんでお母さんで、とにかく初演の『イト』からずっとコンビでやらせてもらいました。
楽しかったね。ソワレちゃんに「夫婦漫才」って言われたオープニングの小芝居、勢い余ってハンマーの柄でなぐってごめん(笑)


最後にわたし、こもだまり


お父さんでお母さんで、死神で神様で、白で黒で、それをつなぐ赤(それはSAIカラーでもある)。
見守る存在で、声で、そんな不思議な位置の役でした。
告知記事に買いたけど、初演と再演とPARADEの全ての役を踏襲した出で立ちで。

シャツとパンツとネクタイは初演のもの、ベストは再演、髪型と赤い糸はPARADEより。



あの現場に立ち会ってくれたみなさまに、そしてSAIの10年間を彩ってくれたみなさまに、
心より感謝を。