FOXPILL CULT自主企画 ポトラッチデッドvol.24の幕開きに上演した
麻人楽のクレジットを記載します。

麻人楽音楽劇08『犬神抄+ s』
〜寺山修司「仮面劇・犬神」より(28分ver.)

2017年1月20日(金)19:30-19:58 東高円寺U.F.Oclub
[構成・演出]こもだまり
[音楽・映像]西邑卓哲(FOXPILL CULT)




[写真:荒川れいこ(zoisite)] 

[出演]
月雄:こもだまり(昭和精吾事務所)
鬼の影(シロ/幼少の月雄):左右田歌鈴

女詩人/姑:ぜん(劇団アニマル王子)
鬼:シロ(昭和精吾事務所)

花嫁(映像):稲川実加
母(映像):こもだまり(昭和精吾事務所)

夫(月雄の父)の声:麻宮チヒロ(舞台芸術創造機関SAI)
近所の女の声:犬神凶子(犬神サアカス團) ※特別出演

先祖の声:のぐち和美(青蛾館) ※特別出演
男の声:イッキ(昭和精吾事務所/アクロスエンタテインメント)




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[使用楽曲]
曲/西邑卓哲(FOXPILL CULT)・歌/麻邑楽(こもだまり×西邑卓哲)
亡き母の歌 詞/寺山修司
四つ足 詞/寺山修司
揺籃歌 ※インスト
鬼の帰り道 詞/西邑卓哲(FOXPILL CULT)


[スタッフ]
音響オペ:西邑卓哲(FOXPILL CULT)
PA:東高円寺U.F.Oclub

衣装(鬼の影)・メイク(女詩人):左右田歌鈴
書(母):稲川実加

記録(写真):荒川れいこ(zoisite) 
記録(映像):大内晋次、沢辺雅也

[協力]
株式会社テラヤマ・ワールド
昭和精吾事務所
FOXPILL CULT
劇団アニマル王子
舞台芸術創造機関SAI
青蛾館
犬神サアカス團
アクロスエンタテインメント
虚飾集団廻天百眼



[写真:荒川れいこ(zoisite)] 









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女詩人/姑:ぜん(劇団アニマル王子)
今回の役「女詩人」は、人形遣いの語り部のような存在として設定。
うちわ面を操ったり、原作では完全に別の役である「姑」も面を被って担う。
女詩人・月雄が生まれた時の姑・十年後の姑を見事に演じ分けた。


鬼の影(シロ/幼少の月雄):左右田歌鈴
幼少の月雄の幻影として、三言だけ喋る。
その後は鬼=シロとして動きだけの芝居。目線や距離で関係や感情を表す。
今まで麻人楽ではむしろ語り部的な配置が多かった。かつて見たことのない彼女の魅力を披露できたのではないか。「シロの青ざめた目」という台詞から目を青にしてくれた。


月雄:こもだまり +鬼:シロ (昭和精吾事務所)
いままで黒子や女詩人としてこの作品に何度も出演しているが、先月の上演が初の月雄。
近年は妖女役を演じることが多く、少年・青年は久しぶり。
シロはおよそ10年振りの舞台出演。ブランクを感じさせない様々な表情を見せた。





音楽・映像・音響オペ:西邑卓哲(FOXPILL CULT)
「音響オペってセッションみたいですね!」と楽しそうに細かく細かく、台詞を聞きながら音を調整してくれた。作曲も演奏も本人だから、生演奏で伴奏するのとほとんど同義かもしれない。
昭和精吾事務所や麻邑楽での語りの伴奏経験を活かし、見事語りに寄り添った音を放った。

楽曲は12月『犬神抄』の3曲に加え、アコギのインストを一曲、過去こもだの朗読『星の王子さま』に合わせて作曲されたものをアレンジ。映像は16分ぶんを新たに製作。
照明としての映像の可能性をさらに拡げた。

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『仮面劇・犬神』の名の通り、犬のシロ・姑面・うちわ面といった仮面が登場。
うちわ面は「四つ足」の中で展開される夫(月雄の父)と近所の女の会話で裏表二面の顔。台本では近所の男、という役だが犬神凶子さんの声のため、一方の顔を凶子さんに改造。






ほか声の出演・映像出演。
のぐち和美さんの御詠歌「ねんねんころりと母は死に ねんねんころころふたりだけ」は土地の先祖の呪詛として。

犬神凶子さんは、犬神サアカス團のライブを聞きながら「あ!この声で『生まれたー!男の子だー!』って言ってほしい!」と頭に浮かんだ。

麻宮チヒロさんは麻人楽のシリーズで惑う男を何度も演じてきた彼ならではの配役、。録音は若くて戸惑うだけの夫とすこし物事がわかった風の余裕を装う夫と2パターンあって、どっちもよくてものすごく編集に時間がかった。

麻人楽でもわたしの分身的な役を演じてくれている稲川実加さんに、息子を溺愛する母がこの世に戻るため、シロを依代に近づく、生贄の花嫁役を。

そして物語の外にも世界があることを知らせる「男」の声を昭和精吾事務所の同輩・イッキさん
寺山修司の短歌「かくれんぼの鬼とかれざるまま老いて 誰をさがしに来る村祭」。昭和精吾の魂を継承するイッキの詠みにより雨が降り、あちらの世界の扉が開く仕組み。

以上の皆様の力でよりあざやかに彩られた世界となった。

もう少しお話ししたいけど今日はここまで!
ありがとうございました。