2016春、青蛾館出演後1週間で本番(マチネ上がりの日にレコーティングしたんだったかな?)という今思えば恐ろしいスケジュールで上演した『幻視+』。その再演でした。

麻人楽(まとら)ていうのは、西邑さんのサイケ映像×麻邑楽の爆音楽曲で見せる幻想音楽劇です。
(参照:麻人楽official http://www.osk.3web.ne.jp/~nanten/matra/

2015年2月に上演した『幻視』の後、2016年8月までに『幻視シリーズ』として5作品を発表。
『幻視+』はシリーズ4作目、そして麻人楽音楽劇としては5作目でした。今回16ですって。
結構やったんだなあ!

麻人楽上演リスト
http://www.osk.3web.ne.jp/~nanten/matra/mt_bio.html



2019.12.13(金)新宿シアターPOO
麻人楽 音楽劇16「幻視+」2019

脚本・演出:こもだまり(昭和精吾事務所)
音楽・映像:西邑卓哲(FOXPILL CULT)

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「うちの家系には何代かにひとり、眼の病を持って生まれるものがある。
それは赤い目、あるいは幻を視ると書いて幻視と呼ばれる。」
祖父、戌井 壮の手記はそう始まっていた。

「一体どちらが鬼かしら」
一人きりの暗闇の中でだけ見えてくるものがある。
満月の夜、男は開けてはならないと言われた箱を開けた。
これはその百年後、男の子孫である伶から始まる物語。

「百年経ったら返しに来て」


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【出演】
男・戌井 伶(いぬい・りょう):梶原航(航跡/ZINGY ZAP)
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女・尾崎葉子:こもだまり
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鬼影:辻真梨乃
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【映像出演】
祖父・戌井 壮(晩年):昭和精吾
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祖父・戌井 壮(青年):麻宮チヒロ
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【音声出演】
母・河臨:稲川実加
祖母・実咲:左右田歌鈴



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音響PA:飯塚ひとみ
映像オペ:江戸川長一郎(gaizao)
動画撮影:石井飛鳥(虚飾集団廻天百眼)、西邑卓哲(FOXPILL CULT)
衣装(鬼影):左右田歌鈴
眼帯デザイン:麻宮チヒロ



麻人楽の演目、最初は寺山さん大好きな辻さんとだから『犬神抄』(寺山修司「仮面劇・犬神」)やろうかと思ったんだけど、氾濫原て企画は、わたし所縁の方達(作家も出演者も)を披露する企画で、だったらわたしも自分で勝負しなければと思いたち、今回初めて昭和精吾事務所で自分の脚本を上演した。
出演者3人だから『幻夜』をやろうとフライヤーもその舞台写真を使ったのだが、本番映像を見返したら脚本も映像も修正したいところがたくさん出てきちゃったので、もっと最近の作品で、比較的映像の直しなしでできる『幻視+』を選んだ。
4人の脚本なので、辻さんに実加りんと歌鈴の二役(鬼の影・影の鬼)を担ってもらった。

梶くん・辻さんともに麻人楽は初。麻人楽って形式は歌鈴やチヒロさんや実加りんら出演者と一緒に育ててきたから、経験者がわたししかいないのは初めて。

ふたりは、資料動画を渡しておいただけでやり方も楽しみ方も理解して、果敢にチャレンジしてくれた。
「他人(初演時の出演者)のタイム感に合わせて作られた映像や音にタイミングを合わせるなんて面倒な作業だよね」と謝ったけど、ふたりは「いや、全然やりづらくないですよ」と平然としていた。
梶くんは「流れてる音楽からしてここだろ、ってわかる気持ちいいとこで組んであるからやりやすい」といい、辻さんは音や段取りが多い作品は経験がモノを言う感じで、サクサク練習して覚えてくれた。
稽古中のつぶやき。
梶くんの独白はハムレット味あるんだよなあ。
オープニング曲「ナミタマイソ」の動きの練習を三人で100本ノックみたいにやったなあ。



こうして作品を振り返っていたら、現場にはいないけど歌鈴・実加りん・チヒロさんと言う麻人楽を一緒に育ててくれた人たち、そして初回に声の出演してもらった昭和さんも関わってて、親族の亡霊と話をするこの作品にふさわしい布陣だったんだなと温かい気持ちになった。

本番映像複数カメラ撮ってもらえたので、編集してお披露目したい。



※参考映像 2015年2月「幻視」初演時CM(主題歌 麻邑楽「赤い花」)