「見るまえに跳べ」、これは、大江健三郎の小説のタイトルとして有名ですが
Leap before you look. という、オーデンの詩からとったんだそうです。

もとは、ことわざの
Look before you leap. =跳ぶ前に見よ。(転ばぬ先の杖)
なんだそうです。

大江さんは、サイン会に行っちゃうほど、というより行くのに2時間うだうだ迷うくらい、愛してる作家。
leapという言葉は、大江さんから知った。


『青ひげ公の城』のラスト、出演者全員が戯曲の台詞でなく自分の言葉でしゃべるシーン(実際、役者本人が選んだ言葉だった)にも、このフレーズがあった。
「永遠のせむし男よ、見るまえに跳べ!」
彼女自身の、メッセージ。
わたしはこれを暗闇で灯されたわずかな灯りの中で聞く時、寺山さんと大江さんのことを思う。

寺山さんも、大江さんも、「自分のオリジナル」なんてとこじゃなく、世界を言語で表すことを仕事にしている。ともに引用の得意な作家だけれど、そうそう、大江さんのエッセイに、寺山さんの話が出てくるっけ。自分宛の葉書に書かれた自分の小説の一節だったっていう話。
昭和精吾サイト内『「寺山修司」という思い出』参照


わたしの選んだ台詞は
「阿佐ケ谷の雑踏にまぎれて叫ぶ種子あり、わたしはまだ叫び続ける!」
ここには寺山さんと、昭和さんと、わたしがいて、世界がある。
そう、わたしはまだ、叫び続ける。

跳べ!

ザムザで毎日羽ばたいた、この鳩たちに敬意を表して。