お友達が一緒では今年になってからも数回会っているけれど、ふたりきりで出掛けるのは10月以来だから半年近くぶりか。
定点観測の桜着物でお花見も、危うく今年はできないかと思っていたけど、なんとか・・・花吹雪を見るお花見といった風情ながら、なんとか。
定点観測の桜着物でお花見も、危うく今年はできないかと思っていたけど、なんとか・・・花吹雪を見るお花見といった風情ながら、なんとか。
日暮里で降りたら、駅の地図に「谷中霊園の桜並木」と書いてあったので、そこを通って行くことにする。
なんともいい天気。とき緒さんはさっそく日傘をさす。わたしも荷物になるから持って来なかったけど、最寄り駅までの道すがら日傘いるかなと思ったもの。日焼け止めちゃんと塗ったし、ま、いいでしょ。
霊園内の桜並木はほんとうに並木道で、風に泳ぐはなひらが、うわあ、と声をあげるくらい、絵に描いたような桜吹雪。すこし歩を緩めて、さきを歩くとき緒さんを後ろからぱちり。
日傘との風情がナイス!(自画自賛)

そうこうして並木の終わり際につく頃、こちらを眺めて笑顔のおじさまに遭遇。
「いやあ・・・和服で桜のなかから出て来て、映画みたいだよ。妖精みたいだったよ」と絶賛される(笑)
「カメラもってないの?」
「携帯のカメラしかないです」
「おじさん撮ってあげるよ!すごいいいから!三本前まで戻ってゆっっっくり歩いて来て」
おじさまはわたしの携帯を構えて、「はいゆっくり・・」といいながら写真を撮ってくれた。
それがこちら。遠近感が出てますねえ。

おじさまと別れてさらに歩いていると、別のおじさまに声をかけられる。
麻のパンツに麻の帽子をかぶった、粋なおじさま。
「おじさんの自転車までおいで」とにこにこしてふたりを先導して歩き、名刺をくれて、写真を撮ってくれた。北島三郎さんのポスターを自転車の背に背負っているおじさまは名刺をくれて、握手しながら「いいことあるよ」と太鼓判を押してくれた。「俺も普段は着物着てるんだよ。俺は地元だからこっちきたら電話ちょうだい。夜でもいいよ。案内してやる!」とご機嫌。
今日はおもしろい日だなと思っていたら、さっき並木の出口で会ったおじさまに再会。
「あっ。あのさ、俺のカメラでも撮らせてもらっていい?」
もちろんと言って、おじさまおすすめのロケーション、桜だけじゃない背景(小さな桜とさつきかな?)の場所へ向かい、ポーズ指導を受けながら(ひとりはしゃがんで、とか、バッグは見えるように持って、とか)モデルを務める。写真は現像したら送ってくれるというので、ありがたく甘えることにした。どんなふうに写ってるか楽しみだなあ。
そして目的のお店、根津のおそば『鷹匠』へ。

暖簾のさがった入口から竹垣に囲まれた石畳を通って玄関。
ひろびろとして穏やかな空間。
せいろと深山(いなか)そば(生粉入りだそうだ)とで迷ったので、注文を聞きにきたおばさまに聞いたら
「半分ずつもできますよ」と言ってくれたので、そうさせてもらう。

真ん中でちょっぴり色が別れてるのがわかるかな?
こしがあって、たいへんおいしかったです。甲乙つけがたいので、次来てもたぶんハーフ&ハーフでお願いすると思う(笑)
酒肴盛りをもらって、冷酒も。

鷹匠を出て、並びの、和布を扱う『丁字屋』にもお邪魔する。悉皆もやってるみたい。
(調べたら、創業明治28年の老舗の染物・洗張のお店だそうだ)
手拭がたくさんあって、思わずいろいろ買いそうになったが、実家から去年たくさんもらってきちゃったからやめておいた。鶏とか鳩とか、ロデオ柄とか(たぶん丑年だから牛手拭が数種まとめてあった)、かわいかった。
上野公園方面にむかって歩く。
途中、水月ホテル鴎外荘があったので、寄せてもらう。鴎外の旧居(舞姫を執筆したという「舞姫の間」など)の平屋が館内中庭にあって、調度品も錦鯉の泳ぐ池も、屏風も、まあ・・・美しかった。古きよき日本家屋。アンティークなんだけど、ちょっと畳が縦横色違いのい草で編んであり、市松模様になってて、モダンな香りもする。その日は幸運にも、そこで宴会がある予定だったから、公開していた、ということらしい。縁側から散った桜のはなひらが浮かぶ池を眺めたり、スクリュー錠を見て「祖母の玄関もこれだった、かならず曇りガラスだよねー」とか「こういう家に住みたいよね(メンテたいへんだろうけど)」と話す。ああっ! 写真、撮ればよかったね(笑)
玄関脇には鎖樋(くさりとい)。なんか好きなのよね、これ。
その一角を出た通常の中庭には、桜、松、竹、あじさい、四季折々の植物が育っており、いいホテルだなあと思ったのだった。日帰りで温泉にも入れるようなので、また来たいな。
不忍池の出店あたりを通ったら、外国人の家族連れに声をかけられ、金髪坊やふたりを囲んで、写真におさまる。とき緒さんが「スパニッシュ?」と聞いたらなんとかって答えてたけど、忘れちゃった。お兄ちゃん(1推定10歳)とまず撮り、弟くん(推定8歳)と交代するときママが呼んでるのに照れて両手を口に当てて「きゃー!」って顔してる姿が、絵に描いたような金髪坊やで微笑ましかったよ。
今日はよく声かけられる日だねえ、お花見気分で声掛けやすい雰囲気なのかしらねえといいながら東京文化会館へ。都響の定期コンサートを堪能し、池袋へ。
オープンしたてで話題のEtika池袋を通って、混んでいたので地上でお茶しつつ、四方山話。そう、とき緒さんと四方山話するのが久しぶりなのよ!!
駅の改札までとき緒さんを送って、「ここにくると話し忘れてることがある気がして、なんか別れがたいよね」って笑いながら手を振る。
ほんと、改札での別れは、恋人同士のように名残惜しくて笑っちゃう。
立教通りを歩いて帰る。大学の桜もだいぶ葉桜になりつつあるけど、樹によってはまだ少し咲いていた。
今日一日の余韻に浸りながら、夜桜の道を通る。
Yに「ふたりで会うの久しぶりだったから余計に感じたのかもしれないけど、これまで長い時間を過ごしたからなのか、とき緒さんといるのは楽だなあ。」と言ったら「そりゃそうだよ。ふたりで会うなんて、そりゃ仲良しだよ」と簡単に断言された。
<2009.04.10>
着物 =ちりめんに桜と大小霞の小紋
帯 =桃色縦縞の染帯に切嵌(きりばめ)と刺繍
帯留 =バラ
半襟 =桜模様の縦縞の端切れ(wing)

着物と帯はささらのママの。
切り嵌めで女性ふたりが描かれてて八重っぽい花の刺繍。この帯を見つけたのが(前にも見てる筈だけど、そのときはきゅんと来なかったらしく覚えていない)三月半ば過ぎだった。和服の女性ふたりだったから、tokimonoで締めたいなと思ってた。
よく見ると刺繍は梅っぽいけど、桃色の縦縞があるし女性が描かれてるし、ひなまつりのイメージがあるので、桃ってことにしてもいいかな(笑)桃の花は、花弁が尖ってるらしいんだけどね。
いずれにせよ、桜の季節の終わり際で、「先取りが基本なのに」と厳しいご意見もありましょうが、梅桃桜みなバラ科ってことで、前帯の女性が手に持ってる重なった花弁の上にさらに薔薇の帯留を重ね、立体感を演出(うそ、梅だって発見されにくくカバー)。
ところで最近、どうも半襟がういてくる気がして、いろいろ原因を考えたんだけど。
胸板が薄いのも問題でしょうが、巻き込み肩ゆえの鎖骨の稼動が影響してる気が。
(着物の癖に洋服のときみたいに動きすぎてるのが悪いのだ)
あと写真を見ると帯が低い気もして、補正が必要かなあと思い始めた。
記録写真を撮るのはいろいろ終わって帰宅後なので、着付けたばかりの時は帯が低くない可能性はあるが。
どちらの問題も、根は一緒な感じなので、まずは胴の補正を考えることにする。
なんともいい天気。とき緒さんはさっそく日傘をさす。わたしも荷物になるから持って来なかったけど、最寄り駅までの道すがら日傘いるかなと思ったもの。日焼け止めちゃんと塗ったし、ま、いいでしょ。
霊園内の桜並木はほんとうに並木道で、風に泳ぐはなひらが、うわあ、と声をあげるくらい、絵に描いたような桜吹雪。すこし歩を緩めて、さきを歩くとき緒さんを後ろからぱちり。
日傘との風情がナイス!(自画自賛)
そうこうして並木の終わり際につく頃、こちらを眺めて笑顔のおじさまに遭遇。
「いやあ・・・和服で桜のなかから出て来て、映画みたいだよ。妖精みたいだったよ」と絶賛される(笑)
「カメラもってないの?」
「携帯のカメラしかないです」
「おじさん撮ってあげるよ!すごいいいから!三本前まで戻ってゆっっっくり歩いて来て」
おじさまはわたしの携帯を構えて、「はいゆっくり・・」といいながら写真を撮ってくれた。
それがこちら。遠近感が出てますねえ。
おじさまと別れてさらに歩いていると、別のおじさまに声をかけられる。
麻のパンツに麻の帽子をかぶった、粋なおじさま。
「おじさんの自転車までおいで」とにこにこしてふたりを先導して歩き、名刺をくれて、写真を撮ってくれた。北島三郎さんのポスターを自転車の背に背負っているおじさまは名刺をくれて、握手しながら「いいことあるよ」と太鼓判を押してくれた。「俺も普段は着物着てるんだよ。俺は地元だからこっちきたら電話ちょうだい。夜でもいいよ。案内してやる!」とご機嫌。
今日はおもしろい日だなと思っていたら、さっき並木の出口で会ったおじさまに再会。
「あっ。あのさ、俺のカメラでも撮らせてもらっていい?」
もちろんと言って、おじさまおすすめのロケーション、桜だけじゃない背景(小さな桜とさつきかな?)の場所へ向かい、ポーズ指導を受けながら(ひとりはしゃがんで、とか、バッグは見えるように持って、とか)モデルを務める。写真は現像したら送ってくれるというので、ありがたく甘えることにした。どんなふうに写ってるか楽しみだなあ。
そして目的のお店、根津のおそば『鷹匠』へ。
暖簾のさがった入口から竹垣に囲まれた石畳を通って玄関。
ひろびろとして穏やかな空間。
せいろと深山(いなか)そば(生粉入りだそうだ)とで迷ったので、注文を聞きにきたおばさまに聞いたら
「半分ずつもできますよ」と言ってくれたので、そうさせてもらう。

真ん中でちょっぴり色が別れてるのがわかるかな?
こしがあって、たいへんおいしかったです。甲乙つけがたいので、次来てもたぶんハーフ&ハーフでお願いすると思う(笑)
酒肴盛りをもらって、冷酒も。

鷹匠を出て、並びの、和布を扱う『丁字屋』にもお邪魔する。悉皆もやってるみたい。
(調べたら、創業明治28年の老舗の染物・洗張のお店だそうだ)
手拭がたくさんあって、思わずいろいろ買いそうになったが、実家から去年たくさんもらってきちゃったからやめておいた。鶏とか鳩とか、ロデオ柄とか(たぶん丑年だから牛手拭が数種まとめてあった)、かわいかった。
上野公園方面にむかって歩く。
途中、水月ホテル鴎外荘があったので、寄せてもらう。鴎外の旧居(舞姫を執筆したという「舞姫の間」など)の平屋が館内中庭にあって、調度品も錦鯉の泳ぐ池も、屏風も、まあ・・・美しかった。古きよき日本家屋。アンティークなんだけど、ちょっと畳が縦横色違いのい草で編んであり、市松模様になってて、モダンな香りもする。その日は幸運にも、そこで宴会がある予定だったから、公開していた、ということらしい。縁側から散った桜のはなひらが浮かぶ池を眺めたり、スクリュー錠を見て「祖母の玄関もこれだった、かならず曇りガラスだよねー」とか「こういう家に住みたいよね(メンテたいへんだろうけど)」と話す。ああっ! 写真、撮ればよかったね(笑)
玄関脇には鎖樋(くさりとい)。なんか好きなのよね、これ。
その一角を出た通常の中庭には、桜、松、竹、あじさい、四季折々の植物が育っており、いいホテルだなあと思ったのだった。日帰りで温泉にも入れるようなので、また来たいな。
不忍池の出店あたりを通ったら、外国人の家族連れに声をかけられ、金髪坊やふたりを囲んで、写真におさまる。とき緒さんが「スパニッシュ?」と聞いたらなんとかって答えてたけど、忘れちゃった。お兄ちゃん(1推定10歳)とまず撮り、弟くん(推定8歳)と交代するときママが呼んでるのに照れて両手を口に当てて「きゃー!」って顔してる姿が、絵に描いたような金髪坊やで微笑ましかったよ。
今日はよく声かけられる日だねえ、お花見気分で声掛けやすい雰囲気なのかしらねえといいながら東京文化会館へ。都響の定期コンサートを堪能し、池袋へ。
オープンしたてで話題のEtika池袋を通って、混んでいたので地上でお茶しつつ、四方山話。そう、とき緒さんと四方山話するのが久しぶりなのよ!!
駅の改札までとき緒さんを送って、「ここにくると話し忘れてることがある気がして、なんか別れがたいよね」って笑いながら手を振る。
ほんと、改札での別れは、恋人同士のように名残惜しくて笑っちゃう。
立教通りを歩いて帰る。大学の桜もだいぶ葉桜になりつつあるけど、樹によってはまだ少し咲いていた。
今日一日の余韻に浸りながら、夜桜の道を通る。
Yに「ふたりで会うの久しぶりだったから余計に感じたのかもしれないけど、これまで長い時間を過ごしたからなのか、とき緒さんといるのは楽だなあ。」と言ったら「そりゃそうだよ。ふたりで会うなんて、そりゃ仲良しだよ」と簡単に断言された。
<2009.04.10>
着物 =ちりめんに桜と大小霞の小紋
帯 =桃色縦縞の染帯に切嵌(きりばめ)と刺繍
帯留 =バラ
半襟 =桜模様の縦縞の端切れ(wing)
着物と帯はささらのママの。
切り嵌めで女性ふたりが描かれてて八重っぽい花の刺繍。この帯を見つけたのが(前にも見てる筈だけど、そのときはきゅんと来なかったらしく覚えていない)三月半ば過ぎだった。和服の女性ふたりだったから、tokimonoで締めたいなと思ってた。
よく見ると刺繍は梅っぽいけど、桃色の縦縞があるし女性が描かれてるし、ひなまつりのイメージがあるので、桃ってことにしてもいいかな(笑)桃の花は、花弁が尖ってるらしいんだけどね。
いずれにせよ、桜の季節の終わり際で、「先取りが基本なのに」と厳しいご意見もありましょうが、梅桃桜みなバラ科ってことで、前帯の女性が手に持ってる重なった花弁の上にさらに薔薇の帯留を重ね、立体感を演出(うそ、梅だって発見されにくくカバー)。
ところで最近、どうも半襟がういてくる気がして、いろいろ原因を考えたんだけど。
胸板が薄いのも問題でしょうが、巻き込み肩ゆえの鎖骨の稼動が影響してる気が。
(着物の癖に洋服のときみたいに動きすぎてるのが悪いのだ)
あと写真を見ると帯が低い気もして、補正が必要かなあと思い始めた。
記録写真を撮るのはいろいろ終わって帰宅後なので、着付けたばかりの時は帯が低くない可能性はあるが。
どちらの問題も、根は一緒な感じなので、まずは胴の補正を考えることにする。
おじさまの写真も楽しみだね!
マダムはイタリアの方でした。だから「Ciao!」
と言って別れたのでした。
すごく贅沢に散る桜を楽しんだ一日だったね☆