このごろ島田荘司ばっかり読んでいて、しかもちょっと横槍が入って高田郁の文庫を2冊読んで(八朔の雪―みをつくし料理帖 』も『出世花』も面白かったのでそのうち紹介しよう)、かつイベント前で余計な言語を入れないでおこう、というような時期なのに、図書館より、「予約していた本の用意ができました」と言われちゃったので、取りに行って、慌てて読み出した。


斎場を出ると、いつも身体がふわふわとして、奇妙な浮遊館を覚える。緊張から解放されるのと、恐らくは、弔う人間の一部を死者のところに残してきたからだろう。

恩田陸『きのうの世界




喪失、不在、そういうものに関する記述が多い。
これまで読んだ作品を思い出しても、恩田陸は、失ったものとか、見ていなかったものとか、そういったことに拘っている気がする。


恩田陸は着物友達のかほさんに教えてもらったんだけど、「あたりはずれあるよねー」とよく話す。
ミステリーだったりホラーだったり、青春ものだったり、戯曲性の高いものもある。
テーマから変奏を重ねてくような手法のもあった(あまり好きじゃなかったけど)。
ジャンルがバラバラだから評価が難しい。
傑作か?と思うと最後で「あれ?」ってなっちゃうのも、最初から「あれ?」ってのもあるけど、とってもよかったのもある。理瀬のシリーズとか、「蛇行する川のほとり」とか、「木曜組曲」とか。
『Q&A』もおもしろかった。ほんとに「質問」と「答え」だけの、インタビュー型式でずーっと進んで行くんだもん。
また読みたいなって思わされる作家の一人。

引用した一文が妙に気になったので、書き残す。


090705_4読書ちなみに、国立競技場で読んでいたのはこの本でした。