紅日毬子ちゃんが踊り子してるのを一度見たことがあって、楽しそうだなあと思っていた。
当日Asohgiさんが大島さんに「じゃあおねえ、本番たのむね」と言ってる現場に居合わせて、Asohgiさんがふと「おふたりも、体力あまってたら乱入して踊ってくださいよ」と言われたのを真に受けて、直後にSAIが控えてるのにも関わらず、文字通り乱入してきたのだった。

Asohgiさんと初めて会ったのは『死ぬ機械』の打ち上げ。京都から観劇にいらして、なぜかバラシ人員にカウントされ、打ち上げにもきてくれたのだった。
そこから数ヶ月経ったアム主宰ライブで初めてAsohgiさんのステージを見た。
普段の佇まいから、曲は激しくても淡々とプレイしてるとイメージしていたのだけれど、それを大きくくつがえして踊り子の毬子ちゃんとシンクロするように、激しく揺れるステージだった。
ああ、ただ音楽をかけているのではなくて、ちゃんと目の前の生身の身体を感じて演奏するんだな、と感じた。
だからこそ、タイトなタイムスケジュールなのわかってて出ちゃったんだけど。
楽屋でちゃっちゃと着替えて舞台に向かう大島さん。
急にだったので衣装のことを考えておらず、ソワレちゃんと相談しながら着替え。
わたしはfujimiya.tvの予備に持って来ていた黒の総レースのワンピース。
ソワレちゃんはSAIに備えてその衣装を着て、上着だけ脱いでの参戦となった。

会場扉に耳をつけてみると、始まっている(知ってたけど)。
そっと会場に入ったら、先程の幽蘭さんライブの客席配置のまま、ぎゅうぎゅうに入っているのでこれは靴では危ないと判断、ソワレちゃんと目を合わせて黙って靴を脱ぐ。
(ここは阿吽の呼吸だったよね・・・)


踊り始めている大島さんの空気を掴むため、しばしそのまま待機し、ここだ!ってところでスターと。Asohgiさんの演奏テーブルの下を蜥蜴のように這ってステージへ向かった。
見てなかったけどソワレちゃんどんな感じだったのかな?

それに気付いた大島さんがすっと階段に上がったので、階段下と壁際と階段上とを使って、入れ替わりながら踊った。なんの打ち合わせもしてなかったけど、踊り子同士も、Asohgiさんとも、糸でつながってる感覚で、薄暗闇の中、汗を飛ばしながら踊り狂った。音楽に身を任せて想起される動きをするのは快楽だけど、ゆえに消耗も激しい。階段の上からずるりと下に降りたくなったり、ざらざらした壁に寄添いたくなったりと、Asohgiさんの音は激しく解放される。想像するのは重心を空に向けるものではなく、皮膚が空間を浸食してひろがっていくような、かといって地に向かうのではない。湿度の高い空気が肌にまとわりつくような濃密な空間で、その重さを感じながら泳ぐように踊る。あ、水中に近い感覚かも。それがもしかしたら、Asohgiさんの鳴らす鐘の音の響く宇宙なのかも。


ソワレちゃんの踊りは初めてみたけど、楽しそうだったな。

終わった途端、司会席にいたおにいが開口一番、「もう、ずるいーー!!」と心底口惜しそうに言ったので笑っちゃった。そりゃ次のSAIで共演する3人が踊ってて、ひとり踊らなかったんだものね。
一応、靴脱ぐときにおにいの顔をちらっと見たのは「おにいも来ちゃう?」という意味だったんだけど、と後で言ったら「でも俺、照明もせな・・とか思ったら行けんかった・・・」と汗だくの我々にがっくりしながら応えたのだった。


踊ったあと即着替えてSAIだったので衣装写真はないけど、Asohgiさんとツーショット。



前々から言ってた「乱入」ができたことで、よりお祭り感を味わえた時間だった。
お客様には楽しんでいただけたのかしら。
Asohgiさんにも楽しんでいただけたのかしら。
みなさまに感謝。

※ライブの一部は、インターネットラジオで公開されています。登録は無料です。
みんなのらじお内演劇トーク・バラエティRoom of THEATRICAL for radio のページの左側、簡単な登録をして、おなじく左サイドの過去配信のアーカイブから第25回「祭」前編を選択。
こちらで3団体(fujimiya.tv、永井幽蘭、Asohgi)のライブの一部が配信されています。
fujimiya.tvライブは(第25回「祭」前編)の3つめなので終わりの方です。