社長企画はほんとに雨が多い。わたしの超晴れ女力の影響か、台風直撃は翌日に延びて普通の雨の中、ギターケース背負って会場入り(中身はマイクスタンド)。

社長が忘れ物を取りに戻るというので、らけちゃんとMidoriさんと三人でのんびりする。
「じゃあメイクし……。……全部を洗面所に置いて来たー!!」
青ざめたわたしに、らけちゃんとMidoriさんがメイク道具を貸してくれる。のち到着したRe:kaiさんもありったけの化粧道具を出して「共有しましょ」と言ってくれる。御礼に持っていたおやつを三人に差し上げる(わらしべ長者)。「今日のこもださんは、みんなのメイク道具と優しさで出来ています」とツイート。

リハでは、懸念事項の挿入歌から試した。翔馬さん曲は社長がふわふわしてて、社長曲は語り手二人ともふわふわしてて、すっごい不安を残した(笑)。
語りについては、翔馬さんがきちんとプランを立てて来てたし、わたしも渾身の構成をしたし、物語自体の力がそもそもすごいので、きちんと伝えられれば大丈夫な筈だ。


着替えて完全体で開場時間を迎える。
今日のわたしは「星の王子さま」役なので金短髪にしたかった。黒髪ロングだけは回避して赤いショートカットのウィッグ、衣装はイメージカラーのターコイズの上着と白ブラウス赤リボンに白パンツ。
お客様に「『いらっしゃいませー』『ん?(こもださんの声はすれども姿なし。)…まさか?』て感じでしたよー」とあとで楽しい報告をもらった。
翔馬ちゃんはコーデュロイのダブルのロングコート。社長は「猫の恋」に続いて耳装着。
ド緊張だったけど、お客様の中に知った顔を見たら、ちょっと落ちついた。ありがとう。

…ちょっと落ちついたが、歌が心配すぎて喉がネバネバするわ、えずくわの緊張っぷりなので、セッティング終えてから一旦玄関まで行って深呼吸(えずいたのは百鬼犬以来。あれ?fujimiya.tv解散発表の日が初えずき(笑)だったから、歌なのかな、緊張するのは?)。翔馬さんは落ちついてる風なので大丈夫だろう。
「なんですかこのヒエラルキーは。なんでお二人だけスリッパ履いててわたし裸足なの?」
「わたしがこの格好で星の王子さまで、社長が耳つけて羊で、翔馬さんは……執事?」などとトークしつつマイクの調子を見つつ、自分をリラックスさせつつ、本番へ。
2014.10.5 ふじみやたくとこもだまりvol.8
たくとまりとしょーまちゃん「星の王子さま」


(撮影:藤居幸一さん)

「ねえ、羊の絵を書いて!」から始まる物語。
作品自体はとても長いが、やりたいところを抽出して18分におさめた。
そこに翔馬曲と藤宮曲をひとつずつ挿入。やりたい放題だ。

(挿入歌は別枠で紹介します→こちらに歌詞をup!
バラと王子さまの別れのシーンに入れ込む形で、翔馬さん作詞作曲の「糸」。
キツネと王子さまの別れのシーンのあとに藤宮さん作詞作曲の「羊と仲良く」。これはfujimiya.tv 1st&Last Album『世界樹サーガ』に収録の「四人のディーバと一本の世界樹」が原曲。社長が候補曲にあげながら「ディーバは歌詞が酷い」と言うので「星の王子さま用に歌詞書いてもいいんですよ」と言ったら本当に作詞してくれた、星の王子さま版。(Re;kaiさんに「歌詞が話と全然関係ないですよね」と指摘されたけども。)
この日は時間の関係で使えなかったけど、翔馬さんの「みなしご」って曲がもう「星の王子さま」にぴったりなので、これをエンディング(映画だったらエンドロール)に流したかった!知ってる皆さんはそこんとこ自己補完してください。
いやー、しかし歌は緊張したあ(笑)

当初、翔馬さんを王子さまにと思ったんだけど、いろんな役の方をやってもらうプランを思いついてよかった。数々の口説き文句を翔馬ちゃんの声で聞けてお客様は楽しかったとのこと。初朗読なのにちゃんと演じ分けもして、うーん、やはりボーカリストさんは歌の世界を演じるから、自然に出来るんだなあと思う。お手合わせありがとうございました。

「星の王子さまの全貌を今日知った」という声も多かった。
台本はギリギリまで調整した。今出来るベストの構成台本だと思う。
サン=テグジュペリ(フランス語)の著作権は切れているが、日本語訳は作者没後50年まで著作権が存在する。主な底本は一番古い岩波書店の内藤濯さん訳版。著作権はまだあるので、そのまま上演するのはいけない。「ここはこれ以上の言葉はない」と思う完璧な言葉があるので一部はそのまま引用させてもらったが、あとはわたしがこの夏いろんな人の翻訳を読んで、内容を把握した上で調整したので、7割はわたしの言葉になっている。フランス語→日本語訳→Air語訳、みたいな(※Airというのはわたしの語りに関する企画の名前)。とても楽しい挑戦だった。自画自賛ながらいい出来だと思うので、また機会があれば上演したい。相手によって構成は絶対書き変わる。

ちなみにわたしの今回のベスト翻訳だと思ってる台詞はバラの咲くくだりの
「ぼくは待って待って、」
です!…わかんないよね(笑)

メンバー紹介。


羊の楽士:藤宮拓

 
僕(飛行士)/バラ/キツネ/蛇:翔馬

おまけ。

アムアコとRe;kaiソロで出演のRe;kaiさんと。つけまつげまでありがとうございました!
耳をつけた社長のことを「豚」と言うのはやめてあげてください(笑)
あ、この日アムアコでカバーした大槻ケンヂさんの「Guru」がとてもとてもよかった!!
理由はたくさんあるけど、とにかくよかった。


死神さんは、「ショートカットも悪くないけど、やっぱり長い髪のほうがいいです」との感想でした。


せっかくわたしが赤髪なので、見に来たKEVIN/卓哲さんを捕まえて、赤髪ーズ3人記念写真。

次回ふじみやたくとこもだまりは、またゲストひとり迎えて11/2アム10周年企画@大塚Hearts+にて!
たぶんトップバッターなので、早めに来てね。ゲストは公式発表を待っての公開。
わたし的には「ついに、ついにあれを、あの人と…」な回になりそうです。
だって資料読んだだけで滂沱の涙だもの(笑)