Air*Log

語り歌う女優、こもだまりの製作日誌(2005〜)。 演劇・語り・ライブ等の上演情報や、稽古や、思索。 昭和精吾事務所 二代目代表。脚本・演出家。麻邑楽×麻人楽。 ヒューマンアカデミー演技講師。

たくとまり

御礼)たくとまりと吉宏「春と月」@吉祥寺曼荼羅

主題歌CM用ショートver.を作ってホッとしたのもつかの間、本番で一緒に歌うおにいにフルバージョンの譜割伝えてないじゃん!と気づいて、慌ててまた録音して編集。語りの編集なら感覚あるんだけど、音楽の編集は要素が多くて難しい。でもいくつかやったおかげで、いままでなかった感性(音楽を空間的に見る感覚)が少し芽生えたかも。得した!

本番日は、おにいが作ってきてくれたメニュー表を吊るところから開始。(よく見ると海鮮ならぬ解散丼。)


そしてこのために用意した小道具の卸し金。



2015.2.7【たくとまりvol.11】@吉祥寺曼荼羅
ふじみやたくとこもだまりと藤宮拓斗倉垣吉宏「春と月」

センセイ:倉垣吉宏(舞台芸術創造機関SAI)
ツキコ:こもだまり
マスター&演奏:ふじみやたく

主題歌:「黒い鞄に乗せて」作詞:こもだまり
(原曲:略してスワンソン「黒髪ショートベイベー」作詞作曲:Fujimiya 編曲:Dream)
text 脚本:こもだまり(原作:川上弘美「センセイの鞄」)


社長は大晦日に台詞デビューしたので、今回もマスター役で台詞を3つ担当。






上4枚は、らけちゃんが撮ってくれた資料映像から切り抜いた画像。映像で見たツキコさんは、自覚してる以上に幸せそうだった。センセイとの穏やかな日々の積み重ねを描く作品で、エピソードを25分にまとめるのは難しかった。それで脚本作りに携わる時間が最長だったせいか、本番前数日は、楽しい時間のふとした瞬間に「センセイはもういないんだ」って思い出して涙ぐんだりしていた(笑)。
弥生ちゃんが本番後に「ずっとにやにやしちゃったよー」とちょっと照れた顔で言ってきたくらいに、おにい演じるセンセイとツキコさんの恋のお話だった。お客様が「気になるので原作読んでみたいです」と言ってくださった。自分が好きな作品を広く知ってほしい、というのが舞台をやってる意味のひとつだから、こういう反応はとても嬉しい。エピソードはだいぶ削ってるし、順番も入れ替えてるので、原作と比べてどんな感想なのか聞いてみたいな。
おにいはともかくわたしは実年齢にまあまあ近いということで年齢描写を省略したところ、「センセイ。」と懐いているツキコさんは案外幼く見えるらしい。「センセイ50代で死んじゃうの?」「え?70歳くらいだよ。ツキコさん38歳で30以上離れてるんだもん」と何人かと会話した。こもださん史上もっとも手放しで、かわいいかわいい言われて(おにいにまで褒められた!)いい気になった(笑)。

照明は「できる範囲でついてきていただければ」と一応シーンの雰囲気を書き込んだ台本を渡しておいたら、むっちゃついてきてくれて、やりながらびっくりしていた。聞けば朗読の上演に慣れているかただそうで、おかげでかなり見やすくなったと思う。嬉しい誤算。


そしてまたしても、例にもれず「たくとまり」では恋をして失恋をしたわけで、終わってから脚本を読み直して、また、だーっと涙出たりしてたけど、もう元気です(黒まりに変身したし)。

日常的なお話だから普段の生活に影響しやすかったのかな。わたしは、役が日常に侵食してきたりってあんまりしなくて、稽古が終われば切り替えられる方だけど、今回は等身大な役柄だからかちょっと珍しい感触だった。本番前に衣装に着替えてからは、センセイの隣にいるとちょっと幸せな気持ちになったり。こもださん的には「へえー」って観察してたけど、入り込み型の俳優さんはいつものことなのかな?(過去の事例では、本番期間中は「うわー、これ大丈夫かなあ?」って心配になるくらい恋人役に恋してるみたいになるけど、終わると即スッキリ仲間感覚に戻れた。今回も然り。)おにいとは卒塔婆小町もやってるしね。


写真など。


楽屋にて出陣前。わたしがツキコさんモードでほわほわしてるせいか、社長が(普段は絶対しない、ちょっかい出すような)構い方してきておもしろかった。センセイの「チョッキ」は砂々良のマスターの私物。


集合写真。スタッフ募集のポスターみたいになっちゃった。



今回のお話がいたく気に入ったらしく、台本が欲しいというからあげた時の弥生ちゃんの笑顔。
表紙には大島さんに「おしながき」と書いてもらった。


大島さんと楽屋で。芋けんぴをご馳走になった。大島さんは原作をご存知で「うまくまとまってましたね」と言ってくれた。
リンリ.「フタリノミギミミ」は、Re;kaiさん演じるわたしが大島さん演じる翠との、閉じた空間での限られた時間の記憶を何度も何度も反芻するのを密かに見ているような感じ。不在の誰かとの日々を、歌とふたりの語りで見せる点は「春と月」も同じだけれど、「フタリノミギミミ」の方はまだここに留まっていたいという意思を感じた。うーん例えるなら、湿度で窓が曇って、「フタリノミギミミ」は窓を開けないという選択を、「春と月」は窓を開けるという選択をした、といった違い。だからリンリ.は、(初回にも書いたが)宝物の入った箱をそっと垣間見せるような作品になるのだろう。

この日はリンリ.のふたりが好きな人を呼んだと言ってるだけあって、どの出演者さんもRe;kaiさんや大島さんに通じるものがあって、興味深かった。いいイベントだと思った。気になった出演者さんとお話もできてよかった。続きを読む

告知2) 2015.2.7 たくとまりと拓斗吉宏の「春と月」CMできました



2/7の即興サントラ朗読 たくとまりと拓斗吉宏の「春と月」CMができました。(もう今週末!)
昭和っぽい作りになってます(昔のテレビとか、カラオケの画面みたい)。
主題歌「黒い鞄に乗せて」は、解散レコードの”略してスワンソン”のラブソング「黒髪ショートベイベー」が原曲です。どりいむさんこと花村時雨さんがボーカル(音源ではコーラスもどりいむさん)のこの曲が社長から候補として送られてきて、気に入って使わせてもらうことにしました。 本番でも歌います。フルコーラス。ぜひ会場に聞きにいらしてくださいませ。
「見世物地獄」とはだいぶ遠いところにある歌で、CM聞いた方に「どうしたのこのこもださん(笑)」みたいな言われようですが、今週はこの、白まり全開で突き進みます!

勢いで宅録してCM作ると言ったら、社長がコーラスしてくれました。CMは2分が限界だと思うので短くしていますが、二番までちゃんと歌詞はあります。

I love youとかbabyて歌うの初めてじゃないかな(笑)、もうね、甘い気分に浸かって楽しむしか。
たくとまりは実に恋のお話率が高いなあ。おにいと舞台ではそんな役やったことないのに(母息子とか、姉弟みたいな紅悦鞭棄とか、まあオトウサンオカアサンて役割はやったけども)。




『センセイの鞄』は30歳ほど年齢差があるセンセイとツキコさんのやりとりです。
日々のことを語るツキコさんの視点はたいせつな日々を記録する日記のようで、ちょうど記録とか手紙について考えていた時期のわたしは、書き残されたものは(書いた人の生死に関わらず)遺書の側面を持つのだなと思いました。
去年から遺書って言い出してるのでなんだか心配されているみたいなのですが、大丈夫です、とっても元気に生きてます(笑)。
一昨年の冬に近い人が急逝したので、意識がカットアウトされる時のことを考えざるをえなかったというだけです。
かといって悲観的になっているのではなくて、ただ、たとえば。
こうして最近なんやら記録や手紙の枠が広がってきていて、(少し前まで考えもしなかったことですが)歌詞を書いたり脚本を書いたりしていると、それはひとつひとつ、遺書の意味合いを帯びてるんだなあと思うのです。

言葉は、誰かに向けて(神さまとか、自分に、も含みます)発されるものだから。

題材を選ぶ時に、自分が口にしてもいいと思える言葉を選択するので、
たとえ自分で書いたものでなくても、やはりわたしが音にするものはわたしの遺書のひとつだと思います。ああそうか。歌詞を書き換えたのと全く同じだ。
社長の「黒髪ショートベイベー」の歌詞を「黒い鞄に乗せて」=ツキコさんが伝えたいことに書き換えた作業は、「センセイの鞄」を「春と月」に書き換えた作業と同じですね。俳優ってつくづく、人の言葉で人生を生きるんだなあ。続きを読む

告知)2/7土 朗読+即興音楽 ふじみやたくとこもだまりと藤宮拓斗倉垣吉宏「春と月」@吉祥寺曼荼羅

年越しライブで仕事納めしました「たくとまりと吉宏」の初仕事です。
UM-アム-のボーカル、Re;kaiさんのソロである「リンリ.」、第二回公演にして初主催となるイベントに呼んでいただきました。
11/29に対バンした時にRe;kaiさんから「たくとまりを、倉垣さんと三人でお願いしたいんです。この組み合わせ好きなんです」と言われ「はい、やります。で、いつですか?」くらいの即答をしました。(ちなみに「麻邑楽も呼びたいんですが、そうするとこもださん祭になっちゃうから(笑)」とのことでした)

社長が「現代小説で」、Re;kaiさんが「こもださん歌ってほしい」というリクエストに応えての作品!
エピソードや設定は原作のままですが脚本化でだいぶいじったので、今回は『春と月』というタイトルで上演します。もし見て興味を持ったら、原作を読んでみてください。ご存知のかたも多いでしょう、2001年度谷崎潤一郎賞の川上弘美『センセイの鞄』です。

作品は38歳の女性と高校時代の国語の教師との居酒屋での交流を描いており、映画では小泉今日子と江本明、舞台では坂井真紀と沢田研二の組み合わせでした。いま個人的にジュリーがブームが来てたので(笑)、沢田研二がセンセイ役をやっていたと知ってテンションがあがりました。

この脚本練ってる期間、白まり(アングラじゃない方向。たくまりで言うなら「星の王子さま」が白まりです)の回路で生きていて、そうすると切ない気分に寄りやすく、普段ならひっかからないところで涙ぐんだりしています。珍しくなかなかセンチメンタルな日々です。
ちなみにライブハウス行くとすぐアングラ回路(黒まり)が発動して、凛々しい顔になります。(2/27の麻▼楽。は黒まり。こちらはまた改めて告知します)。

(ライブに行くとすごく頭が回って構成の案なんか閃く。「ことりおに」の歌詞も、某ライブのアンコール待ちで書いたし(笑)、なんだろう、大音量に浸されるのがいいのだろうか。脳がプールに浮かぶみたいに。決して癒し系の音楽でなくて激しい音楽でも起きる。いわゆるフロー状態になるのかなあ。)

歌は「こんなイメージの曲がいいです」と言ったら藤宮さんのレパートリーから素敵なラブソングが送られて来たので、この作品用に書き替えました。元の歌詞は社長らしくてすごいんだけど(笑)極限までその、もと元の歌詞を活かした勇気を褒めてほしい(笑)
あれ、原曲がなんだかは発表したほうがいいのかな?



たくとまりvol.10】ふじみやたくとこもだまりと藤宮拓斗倉垣吉宏

(2014.8.14たくとまりと吉宏)
ゲスト:倉垣吉宏(舞台芸術創造機関SAI)
演目:「春と月」
text:原作:川上弘美「センセイの鞄」・脚本:こもだまり



リンリ.初主催event「ヨルノミギミミ」
2015.02.07(土)@吉祥寺 曼荼羅
open_17:00 start_17:30
adv_羊2,800(+1d)
day_羊3,300(+1d)

【出演】
リンリ.(Re;kai+大島朋恵)
黄金の手
島村秀男
豊福メイジ
ふじみやたくとこもだまりと藤宮拓斗倉垣吉宏
みぇれみぇれ

ご予約 komodamari☆gmail.com(☆→@)

麻邑楽と、たくとまり(2014まとめ続編)

(2014まとめ記事に書いたものが思いの外長くなったので、別立てにしました。)

麻邑楽/西邑卓哲さん(FOXPILL CULT、PHAIDIA)について。
6月6日正式結成を発表。
卓哲さんと組むのを決めたとき、百眼でソロ曲をいくつも書いてもらってて、わたしの歌をよく知ってる人だから不安はなく、楽しみしかなかった。語りや演劇の要素が加わったり、お互いのホーム(FOXPILL CULTと昭和精吾事務所)やソロ活動まで関わっていくとは想像してなかったけど。たぶん卓哲さんも、わたしの語りに音楽をつけたり、麻邑楽以外でカバー曲の伴奏しに来ることなんかは想像してなかったと思う。結成の影響かありがたいことに麻邑楽っぽい(笑)お仕事が舞い込んで、特に秋冬は(FPCも忙しい時期に突入してたのに)課外活動で卓哲さんにむっちゃ忙しい思いをさせてしまった。わたしも公演数日前にFPCのコーラス録りしたり、お互い「できそう、やってみよう!」と言い続けた2014年だった。
個人的にも麻邑楽始めたおかげで思いつくことが多くて、そして口に出してしまうと現実味を帯びるから「よし、やってみよう!」って気になって、作詞したり脚本書いたり。誰に頼まれたわけでもなく麻▼楽。CM用の語り音源編集しながら「そうだよね、わたしこういうの好きだったっけ」ってしみじみ思い出した。うん、思いついたこともあるけど、いろんなこと思い出せた。
歌を書いてもらうこと、一緒に歌うこと、演奏してもらうこと、共演すること、音楽を提供してもらうこと、多様な形で関わった。作品を作る上でいろんな話をしたから、いま、ものづくりのパートナーとして、音楽家として、人としても、とても信頼している。個々の頭の中だけじゃなく、思考を目の前のテーブルに(あまり言葉を選ばずに)出して一緒に考えるようなことができる数少ない相手。卓哲さんは去年の秋の自主企画で、わたしを対外的に「盟友」って紹介した。それには親友とか仲間って意味が含まれていて、うーん、いわば幼なじみとか家族に近い感覚もあるかもしれない。
なんか変な人(笑)。そしてありがたい人。


ふじみやたくとこもだまり/藤宮拓さん(UM-アム-、紅黒ちゃん他)について。
年末の「紅黒ちゃん物語」で台本に書いた通り、2011年に「生演奏でアコライブしましょう」って藤宮さんが提案した。それがなかったらわたしはいまマイク持ってライブハウスに立ってなかったかもしれない。「即興演奏で朗読やってほしい」と言い出したのも藤宮さん。その時に「たくとまり」って名前をつけて10分程のひとり朗読をやったけど、一度限りのユニットだと思ってた。「面白かったから今度また、ちゃんと長い持ち時間でやりましょう!」と社長が言ってくれたから、ライブハウスで語ってる今がある。昭和精吾がそうだから、マイクで語るのはわたしにとって自然なことだけれど、いまみたいに回路(語り台本を構成することや、音楽とどう絡めるかを考えること)が開いたのは、たくとまりをやってきたお陰だと思う。わたしにとって、いろんな意味で大きな功労者。
でもおしつけがましさも恩着せがましさもない。
強い主張の仕方をしない人。(たくとまりサイトも自分の言葉では語っていないところが社長らしい)。決して意見を言わないってことではない。我を見せないでも進められるというか、いつも飄々と、軽々としているのに、人をいつのまにか巻き込む。やはり変った人か(笑)。
ボーカルとしても、語りの人と音楽家としても、これからも付き合っていきそうな気がする。
麻邑楽始めてから認識したけど、これもふたりの名前を冠にしたユニットだったんだよね。
それをつける時にまったく身構えなかったのが、たくとまりの関係性な気がする。
蜻蛉さんが社長のことおとうさんって言うけど、そうねえ、社長はバンド一家のおとうさんみたいかなあ。そういえば「紅黒ちゃん物語」でそういう台詞書いてるな私(笑)。


このふたりの変人(笑)に、
「KEVINさん(卓哲さん)が曲書いてくれたら歌います。」(百鬼犬打ち上げ)
「アルバムに、わたしとおにいがメイン取った藤宮さんの曲を入れたいんですけどいいですか?」(震災後)
って、たいした考えもなく思いついたまま声を掛けたのはわたしだ。その時のわたしの能天気ぶりを今褒めてあげたい。そしてそれを受けて、形にしてくれた人たちに、心から感謝を。
これからもどうぞよろしくお願いします。


えっと、まとめて年賀画像!
たくとまりで「星の王子さま」やった日の赤髪ーズ。社長が羊耳をつけてます。
たしかこの日は台風だったっけ。



■戯曲+音楽の弾き語りユニット■麻邑楽-moura-
■即興サントラ朗読ユニット■ふじみやたくとこもだまり



2014まとめ

あらためまして、去年の御礼と今年の抱負を述べる記事です。

2014年の出演は、項目で数えると23本。
PVやアルバムにコーラス・語りで参加したことも数えれば作品数は25本。
昭和さん公演と青蛾館公演でも歌ったもんだから、アムの踊り子と『イト2014』を除く全てのステージで歌ってたことになります。つまり踊るか歌うかの年だったようです。

そして10本の脚本を作る。
構成台本ならできるけどって言い張ってきたのに、ついに台詞書いたり、歌詞書いたり。
大きな一歩の年だったと思います。


年表に印つけてみました(後半に掲載)。藤宮さん関係に◯印、西邑卓哲さん関係に☆印、
ともに12項目ずつ。
音楽が時々自動の朝比奈尚行さんだった青蛾館以外全部に印がついた。
(朝比奈さんが書いてくれた曲「銀幕哀吟」は卓哲さんとカバーしたので、すべての活動がこのふたりに関わってるとも言える)。
ほんとにこのふたりの曲、このふたりの演奏をもらい続けた一年だった。


麻邑楽/西邑卓哲さん(FOXPILL CULT)について。
ふじみやたくとこもだまり/藤宮拓さん(UM-アム-、紅黒ちゃん他)について。

これ、書いたらとんでもなく長文になって年末のまとめレベルじゃなくなったので、別立てにします。

その文章のまとめはこんな感じ ↓
このふたりに、
「KEVINさん(卓哲さん)が曲書いてくれたら歌います。」
「アルバムにわたしとおにいがメイン取った曲を入れたいんですけどいいですか?」
って、たいした考えもなく思いつくままに声を掛けたのはわたしだ。その時のわたしの能天気ぶりを今は褒めてあげたい。そしてそれを受けて、形にしてくれた人たちに、心から感謝を。
これからもどうぞよろしくお願いします。

……これだけ読めば話が繋がります(笑)

そしてこのふたりの曲を歌っていない青蛾館公演と昭和精吾公演について。
青蛾館ではいつも大きな、濃い出会いがあるのだけど、今回はたくさんの才能ある気持ちのある女優陣と知り合えて、同志として作品を作れたことは財産だ。(子供の頃テレビを見て踊っていたピンクレディの未唯mieさんと見つめ合う日が来るとは思わなかったし!(笑))演出でダンサーのスズキ拓朗さんという新しい価値観と出会えたことも、音楽チームの時々自動さんの劇に向けて音楽を作って行くやりかたや佇まいを見られたことも、なにもかもが大きな財産。わたしが敬愛する女優、東野醒子さんと引き合わせてくれたのも、青蛾館だ。女優・野口和美さんの凄さはもちろんのこと、プロデューサー・野口和彦さんが本当に凄腕!!

その青蛾館公演『星の王子さま』では寺山さんの詩を語り、歌った。
上記のふたり以外の人の音楽をいただいて、だ。
わたしが以前、鼻歌で作曲した寺山さんの詩の歌は歌ったことあるけど(これもどこかで再生したいな)、曲を(当て書きで)もらうってのはすごく大きいこと。
麻邑楽を始める時に漠然と「寺山さん曲のカバーもやるかな」と頭に浮かんではいたし、「寺山さんの詩で曲書いてもらうのもいいね」とも話してた。
作曲者の朝比奈尚行さんは、卓哲さんが演奏してわたしが歌う『銀幕哀吟』を聴きに、12/14の昭和精吾公演に来てくれた。そして「また歌ってよ」とレパートリー認定してくれた。
青蛾館を見に来て『銀幕哀吟』を聞いて気に入って昭和さんが「誕生日公演、こもだはあれ歌ってよ」とリクエストしてくれたのだった。いい曲をいただけたお陰だ。その延長で「こもだ、あれも歌えるか」と『時には母のない子のように』もカバーした。
だからどっちも急に実現しちゃった。
麻邑楽を始めて、歌うことが常態になってたことと、結成したからにはと昭和さんに卓哲さんを紹介したことが影響して起きた事態。一年前には全く予想できてない今。
語ったり歌ったり、おもしろい一年だった。

昭和さんは「うたうように語り、語るようにうたえ」と昔から言う。
百眼公演で毎回歌うようになっても、語ることと歌うことはまだ分離していた。
それが2014年には段々垣根が低くなって、回路が行き来できるようになった気がする。
卓哲さんは歌い手でもあるから歌い方をアドバイスしてくれるし、彼の歌ったデモ自体がわたしの糧になる。
マイナーチェンジも含め、2014年にわたしは、たくさん更新されました。
先に、進みます。


語りと歌に特化して来たから、身体パフォーマンスの要素を考える脳が使われなかったな、と思った話も書きたいけど、これもまた別で。


2015年もよろしくお願いします。
2/7には、たくとまりと吉宏で朗読を。
4/12には紅黒ちゃん2ndライブを。
昭和精吾は神戸と盛岡で公演予定です。これも決まり次第報告します。

麻邑楽は、11/29に出すって言った音源を忙しさを理由に延期したにも関わらず、麻▼楽。で新曲書き下ろしのレコーディングしてる謎の展開をお客様につっこまれたので(笑)、6/6の1周年までにはなんらか、なにかをどうにかします(曖昧)。ありがたいことに音源はまだか、ライブはいつだと聞いてくださるお客様がいるので、なにかをどうにかはします(やはり曖昧)。近いうち相談して報告します!続きを読む

たくとまりと拓斗吉宏の「紅黒ちゃん物語」@神楽坂EXP 2014カウントダウンライブ

年越しそばをお昼に食べて、今年も神楽坂へ。
おにいとファミレスで打ち合わせて、いざ会場へ。

2014.12.31 ふじみやたくとこもだまりと藤宮拓斗倉垣吉宏の「紅黒ちゃん物語」


( )は収録アルバム
※fujimiya.tvアコ結成
1. 達磨(アコ)(廻天百眼『存ぜぬ快楽』ほか)
※fujimiya.tvバンド結成
2. 鋼鉄の見世物小屋(アコ)(廻天百眼『少女椿』)
※解散〜紅黒ちゃん結成
3. 13月01日(バンド)(fujimiya.tv『世界樹サーガ』)
4. 無限(バンド)(廻天百眼『存ぜぬ快楽』)


バンド解散から結成のドキュメントを、トークと歌で綴る25分の作品。
結成秘話やりましょうって話が出たのが11/6のこと。
その時点で当日楽器隊3人も会場にいるから1,2曲バンド演奏可能かも、って可能性が提示されていた。

社長「たくとまりと拓斗吉宏名義で如何でしょうか?」
まり「曲演奏するなら紅黒ちゃんの名前出したいです。せっかくだから物語強めで、既存曲何曲かやってミュージカルみたいにできたらいいですね!おにいと社長となら出来そうな気がする!」

麻邑楽的『星の王子さま』ライブ翌日で気が大きくなってたのかな、わたし(笑)
(麻邑楽戯楽曲『失名』書いた勢いで)4日後の11/10には第一稿が上がっていた。



12/28リハ写真。
楽器隊はシークレット出演だから、いつも全員で撮るリハ写真もこんな感じで発表した。
シャッター押してるのは花村時雨さん=東京秘密ラジオどりぃむさん。


12/31本番後、BLACK RIBONS総長と、この日出演の紅黒ちゃん楽器隊(どりぃむさん、悠介さん、社長、るりーさん)。続きを読む

告知)たくとまりと吉宏の「紅黒ちゃん物語」@神楽坂EXP+解散レコード共同主催2014カウントダウンイベント 「小嶋ホーデン」

本日!今夜!
「今年活発に活動していた」と藤宮社長がコメントしていた、たくとまりの、年末興行です。
そして2014冬のこもだまり祭、最終回です。
12月はのんびりする予定だっ(以下略)

ここんとこ年越しイベントは、fujimiya.tvのアコかバンドで出演していたのだけど、なにしろメンバー多いから全然スケジュール合わなくて、紅黒ちゃんは結成ライブ以来ライブをできていません。
なので、即興サントラ朗読(もしくはパフォーマンス)「たくとまり」+「拓斗吉宏」の名義での出演です。夏にこの三人でやった『綾の鼓』で、紅黒ちゃんの持ち歌を入れ込む作戦を思いついて「達磨」を歌った、それに味をしめたので、今日も歌います!何曲か!えっと…4曲?



(上『綾の鼓』2014.8.14/下『短歌零年』2013.10.5)

年末だから、なんとなく決算的な気分で、いつもの戯曲や謡曲スタイルではなく、
「紅黒ちゃん」というバンドについての物語を語ります。
実録・紅黒ちゃん物語。
ついに!こもだまり完全オリジナル脚本。
そして、藤宮社長にも台詞があります!
何かが降臨して30分で書き上げたといういわく付きの、勢いのある脚本(ものは言いよう)。
(あの…勘のいいかたは察してください。楽しんでいただければ幸いです。)
わたしもついにここまで来たなと。
真面目に語り脚本を何本も書いて来た今年の終わりに、こういうふざけたの(←言っちゃった)も書けるくらい自由になったんだなと感慨深いです。わたし、なにから解放されたのだろう(笑)
いや、真面目は真面目なんだけど、『鬼姫』とか『卒塔婆小町』みたいなテイストではないです。
うーん、ドキュメントだからかな。「記録と手紙しか書けない」ってのは、変ってないな。

紅黒ちゃんのレパートリー何曲かを、アコだからって歌い子ふたりでお送りする無謀な企画。
おにい(倉垣吉宏)はいつもと違うパート歌うことになってわたわたしてます。
ごめん、がんばれおにい!!

われわれの出番は21:10-21:35とちょっと遅め。
ふじみやたくとこもだまりと拓斗吉宏の「紅黒ちゃん物語」、
こころよりお待ちしております。
 
(『短歌零年』2013.10.5楽屋にて)

そして年越したら、関係者もお客様も入り交じってご近所の赤城神社に初詣です。
長蛇の列に並んで待つのは寒いから、あったかくして来てね。
お参りして、おみくじ引いて、甘酒を呑むのが恒例です。
甘酒を呑んで、風邪などひかず無事おうちに帰るまでが年越しライブですよみなさん!(遠足でよく言うアレです)。
甥が受験だから、蛍雪神社で御守りいただくのも忘れないようにしなきゃ!



ちなみに、生アム(UM-アム-の打ち込みなし生バンド形態)や、どりぃむさんや略してスワンソンなどお馴染みのメンバーもいますので、続きのタイムテーブルにてご確認くださいませ。


神楽坂EXP+解散レコード共同主催カウントダウンイベント
「小嶋ホーデン」

2014年12月31日(晦)→2015年01月01日(旦)
神楽坂EXPLOSION

開場_13:00/開演_13:30/解散_24:40
前売_羊2,300(+1drink別途)
当日_羊2,800(+1drink別途)
※再入場可


公式サイトでの告知↓
http://kaisan.in/20141231
続きを読む

『鬼姫』前夜

前日のSAIの稽古場で大島さんと、休憩時間に軽く読み合わせましょうかと密談していたらおにいが
「や、せっかくだからアップがてら読み合わせたらいいんじゃないですか?時間取っていいですよ」という。お言葉に甘えて、ほかのみんなが作業しつつ歓談しているざわざわに紛れて、ふたりで密かに読み合わせ。修正を考えつつ冷静な部分を残しての読み合わせなのに、それでも懐かしい大島蘭の声に震える。
そういうな甘い時間を終えて、ふたりでほわーとなっていた。
(これは鬼姫知らないと伝わらないかもだけど、鬼姫は愛の物語なので、いわばラブシーンが終わったみたいなほわー、なのね。)
そんなふたりに
おにい「さ、準備いいですか?」
ふたり「はい?」
おにい「やってくれるんでしょ。俺たち明日行けないんですよ。」
ふたり「えっと…」
おにい「大島さんのいいとこ、みてみたいなぁ」
TETRA。「こもださんのいいとこ…」
みんごす「(*´ω`*)」

一気飲みのノリで朗読させるの?!
しかもこのラブラブなやつを!(笑)

それで音楽なしだけど公開稽古。
そしてその反応から、主観と客観のバランスを変えようと思い至る。
イトの稽古して、帰って夕食を食べて、早速台本を直す。
うん、これがひとつ客観を手に入れた形式だと思う。
おにい、TETRA。、みんごす、ありがとう!

深夜になったけど、pdfをDropboxに放り込んで、連絡して、眠る。
明日は、本番。続きを読む

告知)2014秋冬 こもだまり祭り 一覧(11/10更新)

青蛾館の始まる前、
「夏の青蛾館が終わったら今年はもう単発しかないし、のんびりだなあ」
と思っていた。
「去年の年末はいろいろ重なって忙しくて、『12月はないものと思え』って格言を産んだなあ(笑)。今年は余裕で年賀状とか書けそうだなあ」
と思っていた。

誤算。

青蛾館の直前、Facebookで昭和さんがupした(最近昭和さんのブームはFacebookの書き込みなのだ)12/14の昭和精吾誕生日公演の記事を皮切りに、ぽんぽんと出演依頼が舞い込んだ。
(残念ながらスケジュールの都合で2つ演劇をお断りした)
そんなわけで、【2013こもだまりひとり夏フェス】【2014こもだまりひとり夏フェス】に続いて、【2014秋冬こもだまり祭り】が開催が決定。ありがとうございます。

なんか「やるぞ!」的な画像を貼ろう。(※下記イベントイメージとは無関係です)

(20131101 ZombieLolitaワンマンより)


【2014秋冬こもだまり祭り】

終宴 11/2日 即興サントラ朗読ユニット。初代・蘭の大島朋恵さんと「鬼姫」!
ふじみやたくとこもだまりとおおしまともえの「鬼姫」 inアム10周年企画「10日目の雨」@大塚Hearts+
おなじく
終宴 11/2日 fujimiya.tv曲の百眼ショウ
虚飾集団廻天百眼ショウ inアム10周年企画「10日目の雨」@大塚Hearts+
■詳細

終宴 11/5水 弟みたいな俳優さんの誕生日ライブにソロ名義で出演(だけど4人でやる)。
「星の王子さま」を語り、麻邑楽曲を歌う in 真弓 瞬Birthdayライブ『Love Life Live vol.5』@新宿LiveFreak
■詳細

11/24月祝 結成10周年を迎えるSAIで三回めの「イト」
舞台芸術創造機関SAI「イト2014」@CGNギャラリー日本橋箱崎
■詳細

11/29土 年内ラスト 冬の麻邑楽
new!! 【麻邑楽-moura-】3rdライブ in 解散レコードpresents 「弟4回 東日本とライブハウスのためのイベント」@渋谷Last Waltz
■詳細

12/14日 昭和精吾のワンマン+お祝いの歌と詩と祝辞と弔辞
昭和精吾73歳誕生日公演「寺山修司をうたう」@新宿シアターpoo 
■詳細

心に留めておいていただけると幸いです。

たくとまりとしょーまちゃん『星の王子さま』@紅征く秋の月光カフェ

社長企画はほんとに雨が多い。わたしの超晴れ女力の影響か、台風直撃は翌日に延びて普通の雨の中、ギターケース背負って会場入り(中身はマイクスタンド)。

社長が忘れ物を取りに戻るというので、らけちゃんとMidoriさんと三人でのんびりする。
「じゃあメイクし……。……全部を洗面所に置いて来たー!!」
青ざめたわたしに、らけちゃんとMidoriさんがメイク道具を貸してくれる。のち到着したRe:kaiさんもありったけの化粧道具を出して「共有しましょ」と言ってくれる。御礼に持っていたおやつを三人に差し上げる(わらしべ長者)。「今日のこもださんは、みんなのメイク道具と優しさで出来ています」とツイート。

リハでは、懸念事項の挿入歌から試した。翔馬さん曲は社長がふわふわしてて、社長曲は語り手二人ともふわふわしてて、すっごい不安を残した(笑)。
語りについては、翔馬さんがきちんとプランを立てて来てたし、わたしも渾身の構成をしたし、物語自体の力がそもそもすごいので、きちんと伝えられれば大丈夫な筈だ。


着替えて完全体で開場時間を迎える。
今日のわたしは「星の王子さま」役なので金短髪にしたかった。黒髪ロングだけは回避して赤いショートカットのウィッグ、衣装はイメージカラーのターコイズの上着と白ブラウス赤リボンに白パンツ。
お客様に「『いらっしゃいませー』『ん?(こもださんの声はすれども姿なし。)…まさか?』て感じでしたよー」とあとで楽しい報告をもらった。
翔馬ちゃんはコーデュロイのダブルのロングコート。社長は「猫の恋」に続いて耳装着。
ド緊張だったけど、お客様の中に知った顔を見たら、ちょっと落ちついた。ありがとう。

…ちょっと落ちついたが、歌が心配すぎて喉がネバネバするわ、えずくわの緊張っぷりなので、セッティング終えてから一旦玄関まで行って深呼吸(えずいたのは百鬼犬以来。あれ?fujimiya.tv解散発表の日が初えずき(笑)だったから、歌なのかな、緊張するのは?)。翔馬さんは落ちついてる風なので大丈夫だろう。
「なんですかこのヒエラルキーは。なんでお二人だけスリッパ履いててわたし裸足なの?」
「わたしがこの格好で星の王子さまで、社長が耳つけて羊で、翔馬さんは……執事?」などとトークしつつマイクの調子を見つつ、自分をリラックスさせつつ、本番へ。続きを読む
🏠昭和精吾事務所(SSJ)代表|ACM:::メンバー ▫️語り歌う女優|演出▫️もと天井桟敷の昭和精吾の語りを継承すべく|寺山修司・岸田理生上演|詩劇と音楽劇|語りWS|ヒューマンアカデミー講師 2018-2024|🎤声宅録可能|ご依頼📮info@showaseigo.com
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